《平川弘のCool Eye》セビージャ戦がなくなったことで吉と出るか凶と出るか―
好調を維持するU―23日本代表
パリ五輪が開幕し、サッカー男子の日本チームは好調を維持している。パラグアイに5-0、マリに1-0と早々に予選リーグ突破を決めた。今回の日本はオーバーエージ枠を使っていない。招集が難しかったこともあるのだろうが、オーバーエージを使ってバランスが崩れるより、そのまま行った方がチームとして戦えると判断したのだと思う。
FW細谷の働き
初戦のパラグアイ戦では、相手が1人退場となって数的優位となる幸運もあり、良いスタートを切れた。マリ戦はかなり押し込まれたが、我慢して勝負所を仕留めるしたたかさを見せた。2戦通じて得点はないが、トップのFW細谷が前線で起点となり、素晴らしい働きをしている。
オーバーエージで誰かFWを入れていたら細谷の良さが出なかったかもしれない。ただ、決勝トーナメントではレベルも上がり、最後は個の力で状況を打開しなければならない場面が出てくる。そこで細谷がどれだけできるか真価を問われることになるだろう。
元札幌の同期2人がベルギーへ 札幌の選手たちにも良い刺激に
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フランスでU-23代表が奮闘している姿を見て、札幌の選手たちも良い刺激を受けていることだろう。もう一つ、彼らの刺激になるようなニュースがあった。柏のMF高嶺がベルギー1部のコルトレイクへ移籍するというものである。札幌から柏に移ったのも、海外クラブへの移籍が可能だったことも要因の一つである。
コルトレイクと言えば、MF金子がディナモザグレブからの移籍を発表したばかり。元札幌の同期2人がベルギーで共闘するなんて喜ばしいこと。ステップアップするにはコルトレイクで結果を残すことがとても重要だ。コルトレイクはやっと1部に残留した下位チーム。今の札幌に加入したDF大崎らと同じ立場と言ってもいい。
横浜M戦は新戦力を絡ませたい
セビージャ戦がなくなって横浜M戦(8月7日)までインターバルが空いた札幌。実戦感覚の部分で少し心配だ。浦和戦の良いイメージを継続して体に覚え込ませたかったはず。練習試合を組んでコンディションの調整を図ったが、高いインテンシティーではないことが吉と出るか凶と出るか―。横浜M戦は浦和戦のメンバーが主体だろうが、そろそろ新戦力を絡ませてフィットさせていく必要がある。FWジョルディ・サンチェスやMFフランシス・カンなどをどう使うのか、ペトロヴィッチ監督の采配に注目したい。