札幌の1トップ争いが激化 練習試合で鈴木武蔵、バカヨコ、サンチェスのFW陣が揃い踏み
30日練習試合でそれぞれ1得点
北海道コンサドーレ札幌が30日に実施した北海道教育大学岩見沢校との練習試合(9〇1)では、FW鈴木武蔵(30)、FWアマドゥ・バカヨコ(28)、FWジョルディ・サンチェス(29)が揃って1ゴールずつをマークした。J1残留を懸けた中断明けのリーグ戦で1トップのポジションを争うことが予想される3人が、激しい競争の中で互いを高め合いながら、札幌をより強いチームへと変貌させていく。
前節2ゴールの鈴木が1本目
練習試合の1本目で1トップの位置に入ったのは、前節のアウェー浦和戦(4〇3)で、リーグ戦での札幌復帰後初ゴールを含む2得点を挙げた鈴木だった。起用に応えて「狙っていたら、ちょうどいいところにボールが来たので決めるだけでした」と、MF浅野雄也(27)からのラストパスを受けて試合開始からわずか1分で先制ゴールをゲット。現在の状態の良さを結果で示してみせた。
アシストも記録 クロスに「後ろで我慢してから入った」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
10分にカウンターからの失点で同点に追い付かれたが、勝ち越しゴールのきっかけをつくったのも鈴木だった。39分、MF駒井善成(32)が右サイドから上げたクロスに鈴木が高い打点のヘディングで合わせると、最後は浅野が押し込んでチーム2得点目を決めた。「最近は後ろから走り込むように意識してクロスに入っているので、善成くんが抜け出したときも後ろで我慢してから入ろうと思って。良いボールが来て良かったです」。終わってみれば1ゴール1アシスト。期待に応える結果を残して、45分間の1本目を終えた。
2本目のバカヨコはCKから
続く2本目にはバカヨコが1トップの位置に入り、45分にMF小林祐希(32)の右CKを頭で合わせて、札幌加入後初ゴールをマーク。来日3日目での初陣でいきなり結果を出してみせた。
【札幌の新加入FWバカヨコが初実戦でいきなりゴールゲット!「攻撃的なサッカーをやるのは楽しい」】
3本目はサンチェスがPKで得点
そして3本目で1トップに入ったのがサンチェスだ。27日に行われた練習試合ではMFフランシス・カン(26)が挙げた2得点にいずれも絡んだが、自身はノーゴール。この日も相手ゴール前で惜しい場面を何度かつくり出すも、なかなか決めきれないでいた。
そんな中で迎えた試合終盤の43分、ペナルティーエリア内でFW白井陽斗(24)が倒されてPKを獲得すると、キッカーを務めてゴール左へと蹴り込み、〝札幌第1号〟をゲット。「PKではあったけど、点を取ることができたので自信をつけられる」と笑顔を見せた。
互いに慣れれば連係も高められる
トップの位置でのポストプレーや裏抜けを得意とするだけに、チームメートと呼吸を合わせることが、今後のカギとなる。「私もチームメートたちも、お互いのプレースタイルに慣れるのにもう少し時間が掛かると思うけど、少しずつ連係が良くなってきていると思う。裏に抜ける動き出しのタイミングはまだうまくできていないけど、前よりは良くなったと思うので、個人的なパフォーマンスも、チームのパフォーマンスもポジティブだと思っている」。サンチェスもチームに合流してからまだ2週間程度と日が浅い。ここからさらに連係を高めて、持てる力の真価を発揮していきたいところだ。
攻撃的サッカー復権へ
三者三様の能力を持つ3人のストライカーが繰り広げる激しいポジション争いだが、共通する思いはただ一つ、チームの勝利だ。「みんなが調子良かったら、それはチームにとってすごく良いこと。残留争いをしている状況で、点を取れているストライカーが3人もいるというのは非常に良いことだと思う」(サンチェス)。札幌の攻撃的サッカー復権のため、そして何よりもJ1残留のため。強力FW陣が切磋琢磨して互いを高め合い、後半戦の戦いへと挑んでいく。