■パ・リーグ１５回戦　オリックス３－３日本ハム（７月３０日、エスコンフィールド北海道）

　日本ハムのアリエル・マルティネス捕手（２８）が３０日、オリックス戦の七回に代打で登場し、逆転の１０号２ランを放った。２年連続で節目の数字をクリアした大砲が、粘投した先発・金村を力強く盛り立てた。

　予感がズバリ的中した。微妙な判定のホームランと捕逸で背負った１点のビハインドを、一撃でひっくり返した。

「床屋に行く日はいつも打っている」

　嫌な流れを一振りで断ち切り「打てるのは分かっていました。きょうの午前中は床屋に行きましたが、床屋に行く日はいつも打っているので。床屋パワー！」と球団を通じてコメント。ダイヤモンドを一周するとお決まりのポーズを披露し、仲間たちと喜びを分かち合った。

高橋通訳とお揃いオシャレ坊主

　夏らしい涼しげなヘアスタイルには、相棒への信頼の意が込められている。全体を短く刈り込んだオシャレ坊主は、高橋通訳とよく似ている。

　マルティネスは「僕のマネをしているんじゃないかな？」と冗談めかし、続けて「本当にナイスガイで良い関係を築けています。たまに怒ったりするけど、それも全然問題ない（笑）。高橋さんだけでなく他の通訳の方とも、本当に仲が良い状態です」と満面の笑みを浮かべて、頼れるスタッフたちへの感謝を口にした。

金村の登板日に３戦連続打点

　７月は打率１割台と苦しんだが、金村の登板日には不思議と快音が響き渡る。決勝３ランを放った１０日の西武戦から３試合連続で打点を挙げ、好投する２年目右腕を援護している。

　「僕自身も金村が投げるときには打つな～って思っていた。きょうも登板日だったので『これはちょっと打てるんじゃないか？』って予感していました」。金村が投げれば、マルティネスが打つ。相性ぴったりな２人が、勝負の後半戦にチームをけん引する。

「あの場面で打てて本当に良かった」

　厳しい試合展開の中で飛び出した一発を、復調のきっかけにしたい。「あの場面で打てたのは、本当に素晴らしいこと。ここ２、３週間ぐらい良い当たりが出てなかったので、あの場面で打てて本当に良かったよ。次も床屋に行ったら、きょうみたいな感じになるんじゃないかな？」。縁起の良さを味方に付け、パワーヒッターの本領を発揮する。