野村佑希が観戦の祖父へ届けたタイムリー「少しでも元気になってもらえるように…」
■パ・リーグ16回戦 オリックス2-9日本ハム(7月31日、エスコンフィールド北海道)
四回にフェン直の適時二塁打
日本ハムの野村佑希内野手(24)が31日、オリックス戦に「7番・左翼」で出場。1点リードの四回1死一、二塁の好機で追撃の適時二塁打を放った。長く不振にあえいだ近未来の主砲は、もがく日々の中で着実に結果を積み重ねている。
3-2から粘り勝ちで高々と右拳
僅差の中盤。価値ある一振りで勝利への流れをつくった。相手先発の斎藤が得意とするフォークをはじき返すと、強烈な打球が左翼フェンスを直撃。二走・マルティネスの生還を確認した野村は、高々と右拳を掲げ喜びを表した。
「(フォークは)頭にありました。調子が良くなさそうで真っすぐも少なかった。カウント3ー2まで持って行けたので、粘り勝ちかなという感じです」
年に1度の貴重な祖父の観戦がパワー 「少しでも元気になって」
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家族の存在が大きなパワーを与えてくれた。この日は群馬の実家から父と祖父が観戦に訪れていた。高齢の祖父がエスコンフィールド北海道へ足を運ぶのは難しく、現地で活躍を見せられるのは、年に1度あるかないかの貴重な機会だった。
「体がしんどくて、北海道にはなかなか来られない。少しでも元気になってもらえるように、何とかいい姿を見せたいと思っていました。来年もまた来たいと思ってもらえるように、毎年頑張らなきゃなって思います」
応援励みに昨季観戦時は2本塁打
心優しい男は、幼い頃から祖父の応援を励みにしてきた。「野球を教わったりキャッチボールをしたことはないけど、小中高とずっと応援してくれてます。甲子園も見に来てくれた」と、いつも温かく見守ってくれる存在への感謝を口にする。
昨季も祖父が観戦に訪れた8月5日・ソフトバンク戦で2本塁打をマーク。家族思いの背番号5はクールな表情の裏に熱い思いを秘めて、2年連続で最高の孝行を果たしてみせた。
全員でCSへ行けるように
今季は開幕から調子が上向かず、2度のファーム降格を経験。勝負の後半戦に懸ける気持ちは、人一倍強い。「チームの力になれない時間が長かった。もっと必死になって、8月はもっと勝って、全員でCSに行けるように頑張りたい」。結果に飢えるスラッガーは、応援してくれる人のために快音を追い求める。