《岩本勉のガン流F論》よく打ってくれた4番バッター 片岡篤史にウィルソン、オバンドー
■パ・リーグ17回戦 オリックス6ー7日本ハム(8月1日、エスコンフィールド北海道)
登板間隔十分のバーヘイゲンに喝!
そんなコメントは聞きたないで! 先発したバーヘイゲン。試合後に伝わってきたコメントによれば、「調子が良くなく、なんとか工夫したけど…」うんぬんと。これだけ中日(11日)もらっていて、調子が良くないってどういうことや! そんなこと言わんといてくれや!
きれいなアウトはいらない 求めるのは勝利につながる投球
序盤から清宮や石井に一発が飛び出した。守備でも石井がファインプレーを見せるなど、もり立てた。にもかかわらず、三回に1死から長短5連打を食らって5点を奪われた。ナイター明けのゲームで、少しでも長くマウンドに立っていてもらいたかった。ベンチにそういう思惑があったのかもしれない。だが、4連打目で3ランを放った森のところで交代するという選択もあったはず。ただ、放送席からブルペンを見ていて、明らかにリリーフ陣は間に合っていなかった。
バーヘイゲンよ、きれいなアウトはいらない。期待に応える働きを見せてや!
ホームランゾーンを理解しているマルティネス
先発投手の乱調をカバーした打線。そしてリリーフ陣。中でも4番・マルティネスの状態が上向いているのが大きい。五回の逆転2ランは見事だった。カード初戦にも右越え本塁打。2戦目にも右翼線二塁打を放っている。マルティネスの右打ちは、ホームゲームならでは。エスコンのホームランゾーンを理解している。打席で対応しながら、右方向へ持っていっている。
忘れられない4番バッター 実家にある3枚のパネル
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投手陣にとって4番とは、絶大な信頼を置く存在だ。中心に座る打者の状態がいいと、こっち(投手陣)も気合を入れ直す。そういう相乗効果がある。私にも忘れられない4番バッターがたくさんいた。皆さん、不思議とよく打ってくれた。大阪にある私の実家には、3枚の写真パネルがある。ともにヒーローインタビューでお立ち台に上った4番たちとの一枚だ。
よく声をかけてくれた片岡篤史
1人目は片岡篤史さん(現中日ヘッドコーチ)。主に3番を打っていたが、4番に座る時もあった。サードかファーストを守ることが多く、よく声をかけていただいた。私の吐息が聞こえる距離にいた片岡さん。波長が合ったのか、本当によく援護してくれた。あと1死のところでプロ初完封を逃した時も、冷静になった次の日に、フォローの声をかけてくれた。
心を通わせた頼れる助っ人外国人たち
2人目はナイジェル・ウィルソン。陽気なホームランバッターだった。私と同じようにオーディオ機器を好んでいた。よく2人で電器屋に出かけた。車の趣味も一緒で、車屋にも行ったっけ。3人目は親友のシャーマン・オバンドー。私が投げる日は必ず、「ガンちゃん、ホームラン!ホームラン!」って言ってくれてたっけ。試合中もよく言葉を交わした。忘れられないスラッガーたちだった。
水谷&万波へ 危機感を忘れてはいけない!
あと一言。水谷と万波に言いたい。仲間の本塁打を喜ぶのはいい。ただ、危機感を持っていてほしい。浅間や野村は2軍でたっぷりと悔しい思いをしてきた。そう簡単にスタメンを手放ずはずがない。今はただ調子が悪いだけ―と高をくくっているなら、大間違い。すぐに次の打席が回ってくると思わないことだ。郡司がサヨナラ本塁打を放った。万波の目の奥に悔しさがにじんでいたように思う。「俺がやるはずだった」と。その気持ちを忘れないでもらいたい。