ファイターズ
2024/08/04 15:55

400ホールド達成の宮西尚生に捧ぐ 間近で支え続けた福島トレーナーが語る鉄腕たるゆえん

選手の体のケア、治療を担当する福島トレーナー=撮影・桜田史宏

プロ17年目の39歳がさらなる金字塔

 日本ハムの宮西尚生投手(39)が4日のソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)で前人未到の400ホールドを成し遂げた。大記録達成を身近で支えたスタッフがいる。現在も日本ハムで選手の体のケア、治療を担当している福島芳宏トレーナー(51)だ。偉業の裏には、けがや体の変化と向き合うストイックな日常があった。福島トレーナーが職責を通して感じたプロフェッショナルな思考、流儀とは―。グラウンド上では見せない鉄腕の素顔に触れ、祝福と感謝のメッセージを寄せた。

トレーナー冥利に尽きる!

 ミヤ、前人未到の400ホールド達成おめでとう! ここまでの道のりの大変さも分かっているので、心からおめでとうと言いたいです。こんな大記録を達成する選手に携われたことはトレーナー冥利(みょうり)に尽きますし、本当にすごい記録だと思っています。

大学・社会人ドラフトで入団 まさかの第一印象は…

 2008年入団当初、イケイケな風貌でヤンチャなヤンキー兄ちゃんが入ってきたなという感じで、投げ方、使われ方を見ても、まさかこんなに長く投げ続けて、こんな大記録を打ち立てるなんて思ってもいませんでした。当時は建山、武田久がまだバリバリ活躍している時期。そんなベテランたちに囲まれても怖いもの知らずで投げていた印象でした。

 今では建山や武田久のような立場で後輩と接し、アドバイスしている。そんな様子を見ると、とても大人になったなと思います。

考えや体の変化に順応 準備やケアには強いこだわり

 野球に対する取り組みは予想に反してまじめ。特に自分でやると決めたことはコツコツとしっかり行う。実際の動きや体の状態を感じて考え、修正する選手でした。

 年々経験を積むことで考えは変わり、体も変化していきます。常に向上心を持ち、より良いものを求めながら取り組んでいる姿をずっと見てきました。特に試合に向かう準備、マッサージなどのルーティン、試合後のはり治療に関しては強いこだわりを持っています。

キャッチボールする福島トレーナー。右は宮西

 

ゲーム前には必ず左腕の肉体と〝対話〟

 ゲーム前には必ず1時間ほどのマッサージを行います。練習で動いた感じ、キャッチボールで投げた感じから、どこの関節や筋が動いていないか、気になるところがないか、本人と話しながら体を触るようにしていますし、僕自身も動きを見て気になった部分をチェックするようにしていました。何もなければ特に聞かず、触りながら状態を確認して調整をしていましたし、何かあればゲーム後の治療の時にケアするようにしていました。

決して気を抜くことができないマッサージ

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