【宮西尚生400H特別企画】前編 仲間たちの愛ある祝福とイジりにアンサー 金言、暴言連発!?
送り主を伏せて、愛あるメッセージを伝達!
日本ハムの宮西尚生投手(39)が4日、みずほペイペイドームで行われたソフトバンク戦で、プロ通算400ホールドを挙げた。ここまで17年間のプロ生活。さまざまな人物との出会いや転機となる出来事があった。道スポウェブでは、親交の深い師匠、同僚、弟子たち10人の愛情がたっぷり詰まったメッセージを持って宮西を直撃。大記録を達成した主役は、ゆかりのある人物の言葉にどうアンサーするのか―。特別インタビューを前編、後編の2回にわたって公開する。
【宮西尚生400H特別企画】後編 後輩右腕のドヤ発言や師匠の注文にアンサー 若手時代の秘話も
1人目はこの方 ごちそうした金額は「何百万以上」
―400ホールド達成、おめでとうございます。1人目のメッセージを伝えます。
「お世話になったし、この年まで投げるのは大変で、みんなの目標になる選手。そこは尊敬しています。やっぱり何百万もおごってもらった(笑)。前までミヤさんはしゃべる人ではなかったので、今、後輩と積極的にしゃべっているのは驚き」
「玉井や」
―いや…
「加藤(貴)か! あ~そうやな。加藤や」
―メッセージを受けて
「何百万以上おごっとるわ(笑)。年俸、超えているんやから、次は俺におごれよ、でいいんじゃない(笑)。加藤がルーキーの頃は、あまり若い子としゃべることは確かになかったかな。(対話するようになったのは)ここ数年かな。この年になって、今年なんてキャンプは2軍で、年が離れ過ぎているから、しゃべりやすいというか、逆に。玉井とか加藤とか(石井)ピンとか、後輩になるねん。だから、ちょっと厳しく接するけど、20代の子なんて子どもにしか見えへんわけ。後輩より子どもって感じやから。コイツらかわいいな~って。教えてやろうとなる」
今では頼もしさを感じる存在に
―加藤貴はFA権を行使せずにチームを引っ張っている
「ああいうタイプやけど、やらなアカンと自分でしっかり分かっているから。ちゃんと結果で引っ張っていって。言動、行動で引っ張るタイプではないので、結果でしっかり示して。でも後輩とか誘って一緒にご飯を食ったりしているし、先輩の自覚というか、後輩の面倒見も良くなったし、いいんじゃないかな。俺は完全ノータッチになっているから、加藤は。つるむこと、ほぼない。加藤が引っ張っていかないとアカンから。俺にいつまでも引っ張られとったらアカンし。だからそういう意味では自立した。しっかりチームを引っ張っていくためにも、結果を出し続けてほしいなと思うよね」
2人目は鉄腕の奴隷!?
―2人目
「LINEしていても『早く上がってこいよ』と言ってくれるので、その言葉がモチベーションになっています。これからもミヤさんの一言で動きます。すぐ動けるように態勢は整えておきます。オレは奴隷として働いていますから(笑)」
「誰だ。コイツ! なんとなく分かるんやけど。早く上がってこいって。オレ、言った?」
―まだ巣立っていない投手
「それ玉井? 違うでしょ? オレ、玉井にそんなこと言わん」
―オフの自主トレを一緒にやっている
「山本(晃)? あっ堀か!!!(笑)。完全に忘れていた。忘れていた~。全然、アカンわ」
―これからもミヤさんの一言で動くと
「オレの一言で動いているようじゃアカンわ」
期待がゆえに厳しいゲキも
―でも、気にかけてLINEをしている
「『どう?』とはLINEするけどね。アイツはね。なんやろ。ポテンシャルは高いよ。でも波が大きいから。そこの波をね…。今、上では河野が頑張っていて、下には去年でいえば、福田(俊)と堀か。やっぱり河野に負けている…負けているという言い方は語弊があるかもしれないけど、その3人は切磋琢磨して戦ってほしいし、いいライバルであってほしい。もっと気合入れろって話」
―LINEでは優しいと
「プライベートのことは知りません! 全然、忘れていました(笑)」
3人目 鉄腕が一番お世話になっている?右腕
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―3人目
「今まで、どれだけお世話してきたと思っているんですか。400ホールドしたら、お世話してもらった後輩にちゃんと還元してください」
「鍵谷かな~」
―よく分かりましたね
「鍵谷っぽい文面やなと思った。鍵谷には世話になった。世話になったな~」
―鍵谷にも厳しい
「言うよ。(玉井と)一緒一緒。オレはどんな後輩でも変わらんもん。しゃべるか、しゃべらんか」
―鍵谷が言うお世話とは
「アレちゃう? 『こういうの欲しいなとか、これどこにあるんやろ?』と言ったら全部、調べてくれたり『飯行こうや、どっかおいしいところある?』と言ったら全部、用意してくれる。だいたいお願い事は何でもかなえてくれるよね(笑)。そういう意味ではいろいろお世話になったかな」
続きのメッセージには大反論!
―メッセージに続きが
「最近は丸くはなりましたけどね(笑)。僕らが丸くしてあげているんですよ。僕らが後輩との間を取り持ってあげていることによって、下と円滑にコミュニケーションを取れるようにしてあげているんです」
「それは違うな。それは違う! だってむしろオレの方がしゃべるもん。後輩と。今の20代前後。鍵谷がしゃべっているより、絶対にオレの方がしゃべっている! 間を取り持っていないよ。今年戻ってきた分際で、なに言ってんねん(笑)」
―還元する予定は
「還元…いやいやこの前、鎌ケ谷の近くで焼き肉おごっとったやろって(笑)」
あえて大げさに殊勝な言葉…やはりあの男?
―4人目に移ります
(鍵谷の言葉を隣で聞き、マジメな表情で)「僕はそう思わなくて、お世話になりましたし、(泣きながら)素晴らしい記録をつくってもらって自分のことのようにうれしいです」と
「全然、分からん。全然、分からん!」
―分かっていますよね
「全然、分からん。そいつは無視でいいんちゃう?」
―玉井とのコンビがファンに愛されている
「いやもう、分かっとるわ! 無視でええわ」
―400ホールドを達成したら、テレビの前で泣く思うと言っていた
「ウソつけ、じゃあ泣いた動画を送ってこいと言っておいて」
―仲良しぶりを発揮している。かわいい後輩ではないのか
「玉井…(苦笑い)。でも玉井はちょっと特殊やね。後輩という感覚ではないし。友達…友達とはなんか違うような、ホンマ弟みたいな感じ。別になんもしゃべらんでも苦じゃないし。しゃべるとなってもお互い、けんか口調になるし(笑)。だけど相談できるのも玉井やしね。お互い、認め合わんけど、一番楽な人」
けがに苦しむ後輩にエール
―玉井は今季、けがに苦しんでいる。昨季まで6年連続40試合以上、投げてきた
「まあね。あいつもずっと投げてきたからな。でも、まだまだやな。そんなんで腰痛いとか言うとったら」
―鍵谷は419試合登板、玉井は328試合。あらためて400ホールドのすごさを実感し、驚いていた
「まだまだやな。玉井はまだ、能力が落ちているわけではないから、けがさえ治れば戦力やろうし。ただ、ただ、ピークの時期って、30歳を超えて、少ししかないから。最高の時期は。そういう意味では焦っている部分はあるやろうけど、けがを治して、あとは結果を出すしかない」
5人目は2021年から日本ハムに加わった右腕
―5人目
「(2021年2月に)トレードで来て初めてキャッチボールした相手がミヤさんでした。緊張のあまり暴投して、ミヤさんにジャンプさせてボールを捕りに行かせたことはいい思い出です。ホールドでいっぱい稼いでいると思うので、またおいしい焼き肉お願いします」
「誰や? それ、イケ(池田)やな(笑)。アイツ最近、オレに焼き肉おごれおごれ、うるさいから。最後で分かった。キャッチボールのことは全然、覚えていない」
―まだ、ミヤさんがトガっていたと
「イケが来た時はもう丸かったやろ。イケの顔の方が怖い」
セットアッパーの後輩へ金言
―今、セットアッパーを務めている池田をどう見ているか
「いいと思う。自分の性格、スタイルに合っているんやろな。でも、大事なのはここから。全身全霊で投げ込むタイプ。一つのけがで、一気に崩れたりするから。今年も出だし、けがでね。最近、そういう話もよくするんだけど、意外にああいうピッチャーって、オレもそうなんやけど、繊細なんよ。ちょっとでも体のポジションが悪かったり、張っていたりすると、気になる。人一倍、オレはケアに時間を割いてきた、オフも。それは最近言って、するようになってきた。能力を見せつけて、結果も出したし、ポジションも七回、八回をつかんでいるから。あとは体のコンディションをどう整えるか。それが1年、2年、数年戦うためのコツになってくる。自分の体を知って、どういうふうにケアしたら次の日にベストでいけるのか、というのをいち早く、身に付けることやね」
―優しくアドバイスしている
「言っている。ケアは絶対に必要やから。プレッシャーもそうやし、肩をつくるのもそうやし、リリーフは負担がかなり大きい。けがなくバンバン投げられたら、苦労しない(笑)。オレも満足して1年間、ベストのコンディションで戦ったことなんて1度もない。それを知って、1年でも長く稼ぎ続けることや。それやったら、焼き肉おごらんでも自分で食いにいけるわ(笑)」