【宮西尚生400H特別企画】後編 後輩右腕のドヤ発言や師匠の注文にアンサー 若手時代の秘話も
後編もユーモアたっぷりのメッセージ&切り返し
日本ハムの宮西尚生投手(39)が4日、みずほペイペイドームで行われたソフトバンクでプロ通算400ホールドを挙げた。偉業達成に合わせた特別インタビューは後編をお届けする。記録達成に深く関わっていた先発投手や成長過程で大きな影響を受けた先輩のメッセージに、遊び心を交えてアンサーした。
【宮西尚生400H特別企画】前編 仲間たちの愛ある祝福とイジりにアンサー 金言、暴言連発!?
あのいぶし銀がアッシ―くん!?
―6人目は野手
「僕は若い頃、アッシーをしていました。思い出といえば、送り迎えしていたこと。1000試合出場した時に、ずっと欲しかったiPodを買ってもらいました。大事にしているわけでないけど、長く生きていて今も使っています」
「はー? (大野)奨太?」
―違います。選手会長も務めた
「卓?」
―正解。iPodを贈ったのを覚えていないか
「たくさんあげているから、分からん。アッシー(笑)。そうやな、分かる分かる。オフの期間な。いや、いろいろ事件があったわ。送り迎えで(笑)。言えない話がいっぱいあんねん。懐かしい。めっちゃ思い出したわ」
まさに戦友 苦楽をともにしてきた
―付き合いが長い
「一番、長いからね。こんな長いこと現役を続けるとは全く思っていなかった2人やからね。卓もこんなに活躍して、ここまで残る選手になるとは思わなかった。入った時はヒョロヒョロで、バッティングケージからボールが出んかったから。オレも言うて、球が速いわけでもないし。お互いがこんなところまでくるとは思わなかった人物です、という感じ(笑)」
―中島も1軍で奮闘している。励みになる
「去年は悔しい思いをしていたけど。1年でも長く頑張ってほしいよね」
400Hの大記録はこの人のおかげ!?
―次は先発投手
「いつもミヤさんには、おまえの後の登板がどの先発投手よりも多いと言われていました。400ホールドのうち、100何ホールドは僕のおかげかなと」
「上沢や。そうそう。アイツの時、めっちゃ多いと思って確認してもらったら、ホンマにアイツやった。去年までの数字ね。歴代、いろんな先発の後に投げてきたけど『絶対おまえやで』と。調べてもらったら、確か上沢と加藤(貴)が並んでいて。今年で加藤が上に行ったと思うけど」
―ホールドにかなり貢献していると
「貢献(笑)。アイツがよく仕事をしたということや」
メジャー挑戦は誇り 「格好いい」
―上沢もアメリカで中継ぎを経験している
「LINEで『中継ぎの大変さを初めて知りました』とメッセージが来ていたけど」
―上沢はたくさん連絡したいけど、頻繁にしていたら恋しくなってしまうと
「定期的にラインを送るようにしているけど。アイツもそれこそ、出始めた時は…書かれへんことばかりや(笑)。高卒で入団してきて、20歳になったばかりの頃にキャンプで1軍に上がってきて、そこで初めてメシを食いに行って。思い出深い後輩の一人」
―気付けば、メジャーで戦う投手に
「めっちゃうれしかった。今は苦労しているけど、諦めないでほしいよね。挑戦することがすごい、誇らしい、格好いい。結果が出る出ないは二の次やから。挑戦したことに意味があると思う。そういうところが後輩でも格好いい。けがをせず、やってほしい。リリーフはけがが付きものやからね」
―ケアしてくれるトレーナーの人数も足りないよう
「だから言ってんねん。オレが引退したら、アメリカ行って、ケツをしばきあげたるから、それまで頑張れと(笑)」
加藤貴がつないだ仲 今では変化球談義も
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―8人目も先発投手
「1年目に加藤(貴)さんが誘ってくれて、3人で初めてご飯を食べに行った時、緊張しまくって味を覚えていないです。話すようになったのはここ1、2年。入った時は朝、あいさつしても返ってくるか、こないかでした(笑)。最近はミヤさんが投げているチェンジアップの話で盛り上がりました
「加藤が連れてきたな。誰やったかな。今のシチュエーションは分かんねん。(伊藤)大海か?」
―当たりです
「加藤はそういうつなぎ役をしていたからな。いや、ちゃう。だいたいオレが若いルーキーを誘うんよ。だけど、オレと2人でとなったら緊張するし、しゃべられへんやん。だから、誰かアホみたいなヤツを置けとなったら、加藤しかおらんかって」
頼もしく感じる成長ぶり ダルビッシュも引き合いに
―伊藤と最近よく話している
「そうやね。ここ最近やね。野球で言えば、強気なイメージがあったけど、今年はなんか、雰囲気が変わったよね。ツンツン度がまろやかになって、視野が広がったというか。言い方は悪いけど、ルーキーの時は『ザ・自己中ピッチャー』みたいな。自分のことだけ、みたいな。1年目、2年目はそういう感じやった。去年かな、苦労したよね。疲れも出てきているだろうし、五輪があったり、WBCがあったり。そういう大変さがあって、結果が出なくて。…結婚したからかな? 周りをすごく見られるように、チームを見られるようになったから、ホンマにエースとして段階を踏んでいる最中やな、と思う。ダルもそうやったと思うよ。初めは自分ことだけやったろうけど。でも大海も着実に進んでいっている。野球好きよね。野球に熱心、研究熱心というか。ファイターズのエースとしてやっていかなアカン立場やろうけど、もっと上の世界も見ているやろうし。いいステップを踏んでここまで来ているから、ホンマに頑張ってほしい、けがだけないように。それしかないよ、今の子らには」
最も長い時間を過ごしたあのリリーバー
―9人目は目上の方
「アイツをずっと見てきてすごいと思うのは、トドメを刺されないところ。最近は丸くなってきていると思うけど、根本的な勝負に対する貪欲さ、厳しさは変わっていないと思う。まだまだ現役でいけるんじゃないの。頑張って」
「どっちかな? (武田)久さん」
―はい。思い出はたくさんありすぎると言っていた
「なんとなく、久さんっぽいなと。オレがルーキーの頃はまだクローザーじゃなく、セットアッパーやからね。マイケルがまだクローザーだった。時間をともに過ごした先輩で一番、長いよね」
多くを学んだ小さな巨人 「考え方は一緒やと思うよ」
―アドバイスをもらうことも
「それも多かったし、やっぱり見ていて勉強になった。練習態度、ピッチング、リリーフとしての考え方とか。根本はそこじゃないかな。オレのスタイルは。大きいよね。ほぼリリーフで見てきたのは久さんやから。お互い投げへん時とか、テレビを見ながら、ここはこうやな、とか言ってくれる。なるほどと。ホンマそんな感じやったから。ほとんど考え方は一緒やと思うよ」
―決定打を浴びないところがすごいと褒めていた
「昔からそれを言われていた。結果、ゼロに抑えりゃいい、というスタイルは久さんから受け継いでいる(笑)。ゼロで抑えたら、なんとか耐えているから気分もいいし、反省もしやすい。基本的にリリーフはゼロに抑えれば、なんとかなる」
独特のイジりに忘れられない継投
―最後の一人
「スパイクのひもを結ぶのが遅くて」
「うん、それ建山さんね。建山さんしか、そこに文句言わへん。スパイクのひもをずっと結んでおくと、しんどいやん。オレ、普段からきつく締めるのよ。中で動かないようにしたいから。結んだり、ほどいたりするのが面倒くさくなって、途中から結ばずにブルペンに行くようになった。そこから、おまえ、ふざけんなよという感じで(イジられて)。ルーキーの時からずっと言われている。相変わらずやなと。でもオレの中でそれがスイッチ。スパイクのひもを結んで、よしやろう、準備しようと」
―建山コーチは昔、ベルーナで2ボールから救援させられたと
「それもよう言われるわ。右左で、お互い同じタイミングでバックアップに入ったり、準備したりというのは、1年目、2年目は多かった。カウント2―0で代わったね。先頭がフォアボールで、1球もストライクが入らなかった。6球連続ボールで交代させられたん。覚えている」
言葉にせずとも伝わる思い 感謝のツッコミ「何やこれ(笑)」
―現役時代にお世話になった先輩2人がコーチとしてそばにいる
「ひちょりさんもそうやし。なんなら、後輩の谷内コーチもいる。違和感はないけど、時代を感じるよね。ルーキーで入ってきた時のレギュラーがコーチになって、自分が晩年になっているから」
―10人のメッセージは終わり。、皆さん、祝福してくれている
「祝福してないやん、全然。誰か、おめでとうございますとか、そういう言葉は?」
―全員、おめでとうと言っていたが、取材時間の都合で一部、割愛しました
「ここまでの苦労は素晴らしいとか、よく頑張りましたとか、そういう言葉なんかなと思ったら、肉おごれとか、世話してやったとか、何やこれ(笑)」