札幌日大高の初出場で5度目の甲子園となった折霜部長が開会式リハで9年ぶりに再会した名将
8月7日に夏の甲子園が開幕
全国高校野球選手権が阪神甲子園球場で7日に開幕する。初出場する札幌日大高の折霜忠紀部長(66)は、北海道日大高時代に選手、監督として春夏通じて3度甲子園に出場し、鵡川時代にもコーチとして帯同するなど、今回が5度目の甲子園。6日に行われた開会式のリハーサルでは、約9年ぶりに再会を果たした昔なじみの名将がいた。
社会人時代に4年間共にプレー
南北海道大会準決勝の前日、折霜部長の電話が鳴った。相手は高校卒業後に加入した社会人野球の大昭和製紙北海道時代に4年間、共にプレーしたことのある沖縄・興南の我喜屋優監督(78)だった。「土曜、日曜と準決、決勝。(沖縄と)同じ日程で、『一緒に(甲子園に)行ければいいなぁ』とお互いに話していた」と健闘を誓い合っていたという。
互いを知り尽くす間柄 「俺がショート、あの人がセンター」
決勝終了後、興南も優勝したことを知り、遠い昔の記憶がよみがえった。「俺がショート、あの人がセンターで、丸4年間。お互いのことを知り尽くしてるよ。家族ぐるみの付き合いで、監督よりも奥さんの方が知ってるし。向こうに行ってからはなかなか会う機会もなかったけど、こっちにいる間は、しょっちゅう飲んだり食ったりしてたよ。奥さんも良い人なんだわ。また会える」と、再会を楽しみにしていた。
昔ながらの指導法は変わらず 「怒んなきゃダメだよ」
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それがかなったのが、6日に甲子園球場で行われた開会式のリハーサルだった。2人で30分ほど旧交を温め合った。「昔の話やら、今の話やら。元々ずっと長い付き合いだからさ。『甲子園に行くぞとか、日本一を目指すぞ』とか(選手たちに)言ったことがない。今でもそうかい? って聞いたら『そうだ』って。要するに毎日毎日が勝負だから。社会人野球だってそう。ダメなら辞めさせられる。毎日の積み重ね。今さ、褒めて育てるとか、褒めて伸ばすとか、言うでしょ? でも『怒るさ。怒んなきゃダメだよ』って言っていた。それを聞いてホッとした」と、久しぶりに聞いた〝我喜屋節〟に指導者としての土台を再認識した。
大会2日目に初の同時出場
今年は大昭和製紙北海道が都市対抗で北海道勢として初めて優勝してから50年の節目の年。今月24日には白老でOB会が行われ、50人以上が出席する予定だが、ひと足先に甲子園球場での〝プチOB会〟となった。我喜屋監督と一緒に甲子園に勝ち上がったのは今回が初めて。しかも興南は札幌日大高と同じ大会2日目で、興南が第1試合で札幌日大高が第3試合。「何か縁があるね。我喜屋さん(の相手)は大阪桐蔭、勝機はあるって言ってたわ」。互いに前評判は相手の方が高いが、南北W快進撃で開業100周年を迎える聖地をあっと言わせる。