万波中正がプロ初の満塁弾 楽天・則本撃ちに「本当にうまくいった」
■パ・リーグ14回戦 日本ハム5-1楽天(8月6日、楽天モバイルパーク宮城)
負けられないカード初戦 ド派手な決勝打
プロ6年目で初のグランドスラム―。日本ハムの万波中正外野手(24)が「5番・右翼」で先発出場し、同点の延長十回に勝ち越し満塁本塁打を放ち、勝利を決定付けた。
3連敗を喫すると4位転落となるカード初戦を延長戦の末にもぎ取った。「あした全力で勝って、その次の試合につなげられたらいい」。自らのバットで、次はカード勝ち越しをつかみにいく。
球界を代表する右腕から豪快な一発
仙台の夜空に右手を突き上げた。1-1の延長十回2死満塁。万波は楽天のクローザー・則本と相対した。150キロ超の直球と落差のあるフォークで攻めてくる右腕に対し、ファウルで粘り、ボールを見極めながらフルカウントまで持ち込んだ。そして迎えた7球目だった。外寄りの153キロ直球を捉えると、打球はそのまま右中間スタンドに吸い込まれた。
してやったりの殊勲打
通算59本目のアーチは初の満塁弾。「フォークを結構、見送れていたので、これ真っすぐ消さずに同じケアの仕方でもいけるかなと思っていったんですけど、それが本当にうまくいった」と胸を張った。
完全復調へ試行錯誤の日々
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タイミングの取り方にも変化を加えている。差し込まれ気味だったことを踏まえて、軸足の右足でリズムを取るようにしている。
「ちょっと動きのきっかけづくりみたいなイメージで今やってみてます。まだ、なんとも言えないっていうのが正直なところかなと思います。メリット、デメリットは何でもあると思う。タイミングは特に続いていく課題だと思うんで、一概にあれがどうとか、まだ言えない段階かなと思います」。試行錯誤の段階だが、この日は功を奏した。
気合みなぎる週初め 大人気漫画から力
また、万波には週の初めに楽しみにしていることがある。毎週月曜日に発売される週刊少年ジャンプで連載中の漫画「ONE PIECE」だ。昔から毎週、欠かさずに買って読んでいたが、プロ入り後に沖縄でキャンプを過ごしていると「沖縄では月曜にジャンプを売っていないことが分かってからは電子派です」と今は電子版を読んでいるようだ。肝心の内容も終盤に差しかかっており「今やばいです」と鼻息は荒い。日程上でも月曜日に「ONE PIECE」を楽しんでから、火曜日からの連戦に入ることがもっぱら。尾田栄一郎先生からパワーをもらって、1週間の戦いに臨んでいる。
4カードぶりの初戦勝利 「本当に大きいこと」
4位にいる犬鷲軍団を叩いて、さらなる追い風を吹かせる。
「(カード)初戦を取れたっていうのは本当に大きいこと。1個取った状態でカードが進んでいくっていうのは気持ちにゆとりも出てくるんで、そこは本当に良かった」。まだまだ続く2024シーズンの〝航海〟を、背番号66が先導する。