スケボー女子パークで2大会連続の銀メダルを獲得した15歳・開心那の原点【パリ五輪】
予選は1位通過
パリ五輪第12日の6日、女子パーク決勝で世界女王の15歳、開心那(WHYDAH GROUP、苫小牧市在住)が92・63点で2大会連続の銀メダルを獲得した。予選、得点を持ち越さない決勝ともに45秒間に技を連発する「ラン」で3回の試技を行い、最高点で争った。開は予選88・07点で1位通過だった。(共同)
夏季五輪の日本最年少メダリスト
長い黒髪をなびかせ、追い求めてきた「カッコいい滑り」を体現した。パリ五輪のスケートボード女子パークで開心那が銀メダルを手にした。12歳で夏季五輪の日本最年少メダリストとなった東京大会から3年。「出したかったものを全て出し切れた」。理想のスケーターにまた近づいた。
憧れのお兄ちゃんを追いかけて
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現在プロスケーターとして活躍する冨川さん。初めて会った開は、えんじ色のヘルメットをかぶって頭を重そうに揺らし練習していた。ウインタースポーツが盛んな北海道で、スケボーの競技人口は少ない。当時はまだ女子スケーターも少なく、少女が懸命に練習する姿は印象的だった。
「人見知りで、ぼーっとした雰囲気の子」との印象は徐々に変わっていく。集中して練習する様子は「声を掛けるのが怖い」と感じるほど。冨川さんが同じ技を20回成功するまで練習すると、開も同じように取り組んだ。
スタイルの原点
理想のスケーター像の原点となったのは「一番カッコ良いやつが優勝」が合言葉の大会だ。別のスケートボードパークで年1回開催され、採点基準は「カッコ良いかどうか」のみ。審査員はおらず、出場者の投票で決める方式で「一緒に滑ってるスケーターみんなに個性がある」と憧れた。
自分のスタイルを磨き上げ、大舞台でも唯一無二の滑りを見せた。戦いを終えると、表彰台に立った仲間とハイタッチ。15歳のあどけない笑顔に戻った。
競技後の一問一答は以下の通り。
―銀メダルの心境は
「自分の出したかったものを出し切れてメダルも取れた。本当に後悔のない大会だったのでうれしい。表彰台に立った時は、今まで出た大会も思い出した」
―作戦は
「自分のやりたいランをみんなに見せたいという気持ち。練習で1本も通していなかったランを最後に決められた」
―五輪での競技実施をどう感じるか
「世界中の皆さんがテレビで見てくれて、競技を知ってもらえる機会になる。すごくいいことだと思う」
―競技中に選手同士で励まし合っている
「仲間が応援し合ったり、たたえあったりするのは、緊張がほぐれる。それでいいランができることもある」