札幌日大高が南北海道勢52年ぶりの初陣勝利に挑む エース・小熊梓龍はFsジュニア対決に意欲【夏の甲子園】
■全国高校野球選手権第1日(8月7日、阪神甲子園球場)
▽開会式
8月8日に京都国際と1回戦
第106回全国高校野球選手権は、8月7日に阪神甲子園球場で開会式が行われ、9年ぶり4度目出場の北北海道代表・白樺と、初出場の南北海道代表・札幌日大高のナインが堂々行進を行った。創部38年目で初出場の札幌日大高は、あす8日の京都国際との1回戦に向け、兵庫・伊丹市内でケースノックや、打撃練習を行った。エース左腕の小熊梓龍投手(3年)はブルペンで最終調整。1972年の苫小牧工業以来、南北海道勢で52年ぶりの初陣初勝利へ準備は整った。
不思議な縁
西日が差し込む伊丹スポーツセンターで、試合前最後の練習を打ち上げた。森本琢朗監督(43)は「やりたいことは全部できています。52年ぶりなんですよね。逆にうれしいですよね、もしそれができたら。しかも(その時の苫工監督は元監督の)金子先生。うちと縁がありますから。金子先生にすぐ連絡しました」。不思議な縁を味方に、半世紀ぶりの快進撃を成し遂げる。
小熊の予選38奪三振は出場49チーム中2番目
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プロ注目左腕が、いよいよ全国デビューする。指揮官が「守りですね。守備。バッテリーですね。無駄なフォアボールを出さないように」と、勝利のカギに指名したのが、エース左腕・小熊だ。札幌支部大会から5試合、37回を投げて防御率は2.43で38奪三振は出場49チーム中2番目。奪三振率は9.24をマークする。「三振は取りにいくことも大事ですけど、球数が増えたりもあるので、特にそこは意識せず、テンポ良く投げるところに集中したい」と、目の前の打者に集中する。
最初のキャッチボールで工夫
大阪入り後のキャッチボールの序盤は、左腕と左足を同時に前に踏み出す投球を数球投げてから、通常通りのキャッチボールをするようになった。「体の左側から全て投げるイメージをつくるのと、左足を踏み出したと同時にリリースする、タイミングを合わせるのを、最初のキャッチボールでやってます。こっちに来てから、ずっと意識していることの確認。きょうもそのイメージとしっかり感覚を合わせる」と、ルーティンをこなしてからブルペンに向かった。
FsジュニアOBが今大会4人出場
対戦相手の京都国際は今春の近畿大会王者。道産子が4人ベンチ入りしており、その中の高岸栄太郎内野手(3年)は小学6年時に同じファイターズ(Fs)ジュニアのメンバーで、12球団トーナメントで日本一を目指した球友だ。今大会4人が出場するFsジュニアOBの中で、2人がいきなり1回戦で戦う事が決まった。
小熊「特に抑えられたらいい」
「初戦で知ってる人がいるところと当たるのは、すごくうれしかったです。対戦も楽しみで、特に抑えられたらいいですけど、最終的に勝てるようなピッチングをしなければ」。今度は互いに違うユニホームを着て、18.44メートルで対峙する。さらに隣のヤマにいる花咲徳栄の斎藤聖斗内野手(3年)もFsジュニアのメンバーで、「抽選で三つ並んだ時、奇跡だなと思いました」と、勝ち進む楽しみも増えた。
体重増で球威も増して覚醒
2年春からエースナンバーを背負い、新チーム結成後は秋春と支部予選で敗れたが、それをきっかけに食トレに励んだ。今春までに12キロ増の83キロとなると球威が増し、覚醒した。南大会の初優勝も大きな原動力となった。
普段、口数は多い方ではない。闘志は内に秘める。オーダーメードのグラブに刺しゅうされている言葉が全てを物語る。「俺なら出来る」。