決勝2ランの清宮幸太郎 前日は凡ミスも…雪辱の一発「やってはいけないミス。ただ、切り替えのスポーツ」
■パ・リーグ15回戦 日本ハム2-0楽天(8月7日、楽天モバイルパーク宮城)
汚名返上のV弾! 日本ハムの清宮幸太郎内野手(25)が「3番・左翼」で先発し、0-0の八回に楽天・岸孝之投手(39)から、決勝の6号2ランを記録した。前日6日の楽天戦では、三回の走塁中にボーンヘッドを犯していたが、3安打を放って面目を保つと、この日は決勝本塁打を右翼席に叩き込んで連勝に導いた。「前半戦は全然力になれなかった。(1軍に)来たからにはチームを勝たせるという思いでやっている」と力を込めた。
岸の143キロ直球振り抜いた
均衡した投手戦に、一発でケリを付けた。八回2死一塁。初球を完璧に捉えた。岸の投じた143キロ直球を振り抜くと、強烈な打球音を残した白球が右翼席に突き刺さった。3試合ぶりの先制2ランはそのまま決勝点となった。その前の打席は全て直球で空振り三振を喫していたこともあり「タイミングも全然合ってなかったんで、前の打席は。そこも頭に入れながら」。
直球に対して遅れないように意識し、一振りで捉えてみせた。「ナバさん(生田目)が流れ持ってきてくれたというか、(山崎)福也さんもその前のピンチも抑えてくれてましたし、本当にピッチャーの方たちがあそこまで粘ってくれたんで、こうやって勝つことができている」と投手陣の好投に最高の形で応えた。
プロ初打席で対戦した「特別な方」
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相手の岸は1軍の舞台で初めて対戦した投手だ。デビュー戦となった2018年5月2日の楽天戦。清宮がプロ初打席で中堅フェンス直撃の二塁打を放つと、岸もその後の2打席で連続三振を奪ってやり返した。清宮は「いつも岸さんとやらせていただくときは、あの印象がすごくある。特別な方です」と語っていたこともある、そんな先輩右腕からの2点弾でカード勝ち越しを呼び込んだ。
前日凡ミスも、指揮官の起用に応えた
そして、前日のミスで失墜した名誉も挽回した。6日同戦の三回だった。1死一塁で一走だった清宮は、打者・郡司の放った打球は平凡な中飛だったが、一塁に戻るのが遅れ、併殺となってしまった。試合前練習中には新庄監督から〝ゲンコツ〟のお仕置きももらっていた。「プロ野球選手としてやってはいけないミスなんで、そこは反省しなきゃいけない。ただ、切り替えのスポーツでもあるんで、しっかり切り替えて臨めたかなと思います」。代えられてもおかしくない凡ミスだが、指揮官の「もう一回チャンス与えよう」という起用に3安打で応え、翌日は〝一発回答〟という結果で示した。
甲子園の後輩に届け 仙台からエール
この日から夏の甲子園も開幕。母校の早実は、11日に鳴門渦潮との1回戦に臨む。初戦を控える後輩たちに、遠く仙台からエールを送る本塁打。「見てくれていたらいいですけど。もっと打ちます」。直近では6戦3発と量産態勢。〝無双モード〟に入った背番号21のバットは、止まりそうにない。