ほえた生田目翼 こん身の8球 神火消し 山崎危険球退場もチーム救った
■パ・リーグ15回戦 日本ハム2-0楽天(8月7日、楽天モバイルパーク)
日本ハムの生田目翼投手(29)が7日、楽天モバイルパークで行われた楽天戦の七回途中に緊急登板し、絶体絶命の窮地を救って3年ぶりの2勝目を挙げた。快投を見せていた先発の山崎福也投手(31)が、頭部死球により退場。1死満塁でマウンドに上がった6年目右腕は、連続三振で切り抜け、荒々しくほえて渾身のガッツポーズを披露した。
予期せぬタイミングで緊急登板
息詰まる投手戦の空気が一変し、球場が騒然となった。七回1死一、三塁のピンチ。楽天の鈴木大は初球、セーフティースクイズを試みた。山崎の投球は浮いて、鈴木大のヘルメットを直撃。ファイターズベンチは、予期せぬタイミングで投手交代を迫られた。
危険球が宣告され、ブルペンで待機していた生田目が送り出された。ただ、動揺はなかったという。「何かあったら、ということで準備はしていて。あの形で代わるのは、ちょっとびっくりしたんですけど、なんとか対応できたかなと思います」と、緊急継投の舞台裏を明かした。
重圧に屈しなかったわけは〝開き直り〟
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場面は0―0の1死満塁。安打はもちろん、四死球や外野フライですら、命取りになる可能性があった。かつて、弱気を自らの課題にしていた右腕は、重圧に屈しなかった。「自分のランナーじゃない。(そう言い聞かせることで)開き直って投げられたかなと思います」と胸を張った。
楽天ベンチは代打攻勢で左打者をぶつけてきた。まずは、6日の試合で同点適時打を放っていた茂木に対し、カットボールで空振り三振。続く黒川は同じくカットボールで追い込み、高め153キロ直球を振らせた。神がかった8球の火消しだった。
内角ズバズバ「寅威さんに全部任せていたので」
四死球のリスクや打たれることを恐れず、内角をズバズバと攻めきった。勝利を呼び込む完璧な救援の裏に、絶大な信頼を寄せる女房役のアシストがあった。「それ(球種やコース)はもう寅威さんに全部任せていたので。首を振ることもなく、要求通りに投げられたと思います」
過去5年は通算15試合 今季だけで29試合登板
2019年に入団し、過去5年で通算15試合の登板だった生田目が、今季は開幕1軍切符をつかみ、ここまで29試合に投げている。先発経験があり、ロングやワンポイントなど、さまざまな役割をタフにこなす。2軍暮らしが長かった苦労人が今、ブルペンに欠かせない戦力となっている。