あの場面で撃ち続けるというのが大事。今後も期待したい《河合CRC竜の眼》
8月10日、16日はホーム戦
北海道コンサドーレ札幌は、大和ハウスプレミストドーム(札幌ドーム)で行われる今月10日の福岡戦、同16日の鳥栖戦を「帰ってきた! 全道一丸赤黒満員大作戦」と銘打って開催する。
特に福岡戦では、来場者全員にクラブオリジナルの2sides T-shirtをプレゼントする他、お笑い芸人のとにかく明るい安村さんやパンサーの尾形さん、ボーイズグループのNORDや、女性アイドルグループのタイトル未定など、数多くのゲストが来場する。その他にも多数のイベントが開催され、ドーム内のビールも半額で販売されるなど、大人から子供までみんなが楽しめる一戦となっている。ぜひ多くの方々にご来場いただきたい。
横浜M戦はもったいない試合運び
7日のアウェー横浜M戦(2●3)はあと1点が届かなかったものの、最後の最後までゴールを目指して戦うという姿勢を見せることはできていたと思う。ただ、簡単に失点しすぎて、非常にもったいない試合運びになってしまった感があった。
マンツーマンの注意点
開始早々の前半4分にいきなり先制点を奪われたが、ゴールを決めたFWエウベルのマークについていたMF駒井が中盤ではがされ、前を向かれたところから一気にゴールへとつなげられてしまった。マンツーマンディフェンスだと、1人がはがされて中盤を割られてしまうと後手後手になってしまうので、はがされないようにしていかないとダメ。非常にもったいない失点を喫することとなった。
浅野につながるまでの連係
先制を許す厳しい立ち上がりとなったが、同13分のMF浅野のゴールで、札幌はすぐに追い付くことができた。DF大﨑の縦パスで攻撃のスイッチが入るというのを理解した上でMF青木がつなぎ、そしてDF中村の3人目の動きからラストパスが生まれたが、ああいう形が出てくるようになると、攻撃面でのチャンスはよりいっそう広がってくると思っている。浅野のゴールについてはラッキーな部分もあったが、浅野につながるまでの連係は非常に素晴らしかった。
決め切れなければ展開が変わる
直後の同18分には裏へ抜け出したMF近藤がGKを交わしてシュートを放つ決定的なシーンが生まれたが、ポストに阻まれて残念ながら勝ち越しとはならなかった。あそこは決めてほしい場面だったし、決められるときに決めておかないと、その後の展開が厳しくなってしまう。
守備対応のリスクマネジメント あの形のときは…
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その嫌な予感が的中してしまったのが同31分の横浜Mの勝ち越しゴールのシーン。FWヤンマテウスに札幌の左サイドを突破されて、そのまま決められてしまったが、この失点は本当にもったいなさすぎた。中村がボールに釣られてしまったことで、自分の背後を空けてしまっていたが、ああいう形のときは、まずは自分のインサイドを切っておいて、出された相手に対して1対1を挑むという対応をすべきだった。あそこで背後に出されてしまうと、もうノーチャンスになってしまうので、守備対応の際には何をされるのが一番危険か、どこが一番危険なエリアかというのを、しっかりと考えなければいけない。
軽率なプレーは改善を
そしてそれは後半6分の3失点目も同様で、全く同じようなシーンの中での、非常に軽率なプレーだったと言わざるを得ない。最近の中村のプレーを見ていると調子が良さそうだっただけに、守備面でのプレーは本当にもったいなかった。このような守備をしていたら勝つことはできないので、中村への繰り返しの指摘になるが、自分のプレーを映像で見て確認するなり、コーチと相談するなりして、改善していかなければいけない。
鈴木のゴールへと向かう姿勢
2点リードを許した札幌だったが、同13分のFW菅の今季初ゴールで1点差に迫ることができた。菅の横浜Mに対する相性の良さが出た格好のゴールであったし、この場面でもそうだったが、FW鈴木のゴールへと向かう姿勢というのはこの試合でも素晴らしかった。
そんな鈴木に絶好のチャンスが訪れたのが同アディショナルタイムだったが、ペナルティーエリア内から放ったシュートはわずかにゴール左へと外れてしまった。あれが決まらない辺りが今のチーム状況なのかなと思ってしまうが、あの場面でああいう形で撃ち続けるというのが大事なので、今後も期待していきたい。
新戦力の札幌デビュー
この試合では2人の新戦力がデビューを果たした。同16分から出場したDFパク ミンギュは、突出して目立つようなシーンこそなかったものの、クオリティーの高さはある程度示してくれていた。1本クロスを上げたシーンがあって、相手DFの足に当たってコースが変わったためにチャンスにはつながらなかったが、いいところを見ているなと感じさせてくれた。これからも試合に良い感じで絡んでくるのではないだろうか。
そして同38分からはFW白井もピッチに立った。スピードがあるし、相手DFライン裏へ出されたパスへの反応も良かった。前を向いて仕掛ける部分でもう少し質を上げていかなければいけないが、一定以上のパフォーマンスは見せてくれたのではないか。近藤からの股抜きのパスを受けたシーンではトラップする判断をしたが、琉球時代同様にゴール方向に流してシュートまで持って行っても良かったと思う。
チームを支える人の思いを感じて
10日の福岡戦はチームにとって負けられない非常に大事な一戦となる。冒頭でも話した通り、クラブとしても集客イベントを行うし、何よりもオフィシャルトップパートナーの石屋製菓様を始めとしたパートナー企業様各社による「絶対J1残留! 大応援」招待企画もスタートする。選手が輝けるのは、たくさんのファン、サポーターがいるからこそ。チームを支える皆さまのそういった思いを選手たちにはしっかりと感じてプレーしてほしいし、その選手たちを後押しするために、たくさんの方々にドームへ足を運んでいただけると非常にありがたい。