【TIFレポート】タイトル未定の3日間に密着 初の全日出演を3人で走り抜いた
TIF3日目 アイドルグループ・タイトル未定の最終ステージは湾岸スタジオ屋上にあるSKY STAGE。夕暮れを背にラストスパートをかける=撮影・小田岳史
■8月2~4日、東京・お台場、青海周辺エリア
北海道発のアイドルグループ・タイトル未定が世界最大のアイドルフェスティバル「TOKYO IDOL FESTIVAL 2024」(TIF)に出演した。3日間で延べ8万人超が詰めかけた巨大イベントに3年連続で出演。連日30度を優に超える炎天下の中で熱演した冨樫優花、阿部葉菜、谷乃愛の3人を、道新スポーツデジタルが追った。
チェアマン長濱ねるがイチ推しに指名
メンバーも驚きの幕開けとなった。2日の朝、TIFのチェアマンを務める長濱ねるがフジテレビ系列「めざましテレビ」に出演。そこでイチ推しのアイドルにタイトル未定の名前を挙げた。3人で朝ご飯を食べながらテレビを見ていたメンバーにとっては寝耳に水の出来事。「目が覚めました」(冨樫優花)、「3人で『えっ!』と驚いた」(阿部葉菜)、「長濱ねるさんと同じ画に私たちのアー写が映って、夢かと思いました」(谷乃愛)と驚きを隠さなかった。高揚感を抱きながらTIFの開幕を迎えた。
カラオケバトルで阿部「君がくれた夏」熱唱
【1日目】
13:20 阿部が「アイドルカラオケバトル2024」に出演。計16人のアイドルが熱唱する中、阿部は14:40頃にトリで登場し、家入レオの「君がくれた夏」を歌った。優勝することはできなかったが「めっちゃ緊張しました。でもずっと出たかったから楽しかったです」と嬉しそうに振り返った。
15:30 初のステージは今年から新設された浮島STAGEだった。突き抜けるような青空の下、阿部の「みなさん、こんにちは~!北海道からやって来ましたタイトル未定です。TIF始めるぞー!!」というあいさつから、タイトル未定のTIFが開演。360度全方向に向けてパフォーマンスできる浮島STAGEで「花」「夏のオレンジ」を披露し、最後は「壊せ」で観客を巻き込んでタオルを振り回した。終始三角形のフォーメーションを形成し、360度に広がるファンを飽きさせない工夫を凝らした。冨樫は「3人だからこそできた(フォーメーション)。ファンの距離も近くて、一緒に盛り上げってくれた」と振り返った。
17:15 初の特典会でファンと交流。
昼とは一転 夜のSMILE GARDEN
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20:05 昼間とは雰囲気を一変させる夜のSMILE GARDENでは、一つ前のtask have funとのシークレットコラボからスタートした。Task have Funの「メインアクター」とタイトル未定の「夏のオレンジ」を2組で披露すると、まさかのコラボに熱気もヒートアップ。阿部が「(観客が)そのまま会場にいてくれたから、きっと新しい人にもタイトル未定のライブを届けられたって期待してます」と話したように、コラボで生まれた勢いに身を任せて「夏が来れば」「青春群像」とつなぎ、「鼓動」でのシンガロングが夜空に響き渡った。そして、冨樫のラップから始まった「灯火」で1日目を終えた。谷は「最高でした!毎年SMILE GARDENで見る景色が記憶に残っていて、今回は(これまでを)更新した。お客さんの数もそうですし、自分たちも熱が入っていたし、ファンの人たちの熱気も伝わって、すごいいいライブになったんじゃないかなと思います」と満足そうな表情を見せた。
2日目はファンとのふれあいからスタート
【2日目】
11:00 特典会。この日はファンとのふれあいから1日が始まった。
15:35 一番の目玉、HOT STAGEだ。3年連続となるメインステージでのライブは、1曲目からフルスロットルだった。「夏のオレンジ」で盛り上がりに火を付けると「蜃気楼」「壊せ」でステージを支配した。後半は冨樫の「今年も『溺れる』」というMCから「溺れる」がスタート。ステージ上は37℃を記録していたそうだが、3人の暑さも吹き飛ばすような表現力で、オーディエンスを圧倒した。「鼓動」で皆がハンズアップし、コールもこだました。最後は「群青」で締め、エネルギッシュに30分間を走り抜いた。
「3人でベストパフォーマンス」
冨樫 「今回は新曲の披露とかもなくて、お客さんを盛り上げようという責任感の中でステージを全うしました。後ろの方まで観客が集まってきてくれたので、うれしかったです」
阿部 「最高でしたね。お客さんの熱気がすごかった。私の煽りに対して『ウォー!』ってなって、めっちゃ気持ち良かったです。お客さんあってのライブだなと再確認しました」
谷 「SNSでも『それぞれのポテンシャルが高い』みたいに書いてくれていた。『残念』みたいなの全く見かけなくて、3人でベストパフォーマンスを見せられたのはうれしかったです」
18:25 DOLL FACTORYは2年前のメインステージ争奪ライブの決勝が行われた思い出のステージだ。フロアも観客で埋め尽くされた中、「黎明」で凜とした力強さを示したと思えば、「栞」「桜味」と変化を加えていった。満員の観客がタオルを振り回す「壊せ」も圧巻の景色。阿部は「2022年のメインステージ争奪ライブの決勝で使ったステージなので、ここに入ると一気にいろいろ思い出しますね」と感慨にふけった。これまでとは一転変わったセットリストで攻め、奥行きの深さを感じさせた。
冨樫が滝沢ひなのと組み大トリ
19:55 SMILE GARDENで約1時間行われた「IDOL SUMMER JAMBOREE」に冨樫が出演した。バンド編成が組まれた中で、TIFに出演中のアイドルがAdoの「唱」や宇多田ヒカルの「traveling」などを歌唱。冨樫はNEO JAPONISMの滝沢ひなのとコンビを組んで、SMILE GARDENの大トリを務めた。楽曲はフラワーカンパニーズの「深夜高速」。アイドル界屈指の〝表現者〟2人が織りなすハーモニーは大きな感動を生んだ。滝沢のストレートに訴えかける力強い歌声と、冨樫の儚い透明感のある歌声が合わさって、会場にノスタルジックな時間が流れた。歌唱後、冨樫は感極まり涙。最後は観客からも「生きててよかった」の大合唱が起こり、2日目が終了した。冨樫は「アイドルに対しての表現を迷っていたときにNEO JAPONISMさんのライブを観て、心を奪われた。滝沢さんはパフォーマンスがすごいのはもちろんなんですけど、人としてもすごく尊敬していて、出会えてよかった。そんな人といつか一緒に歌いたいって言っていたんですけど、今回たまたま歌えてうれしかったです」と、興奮冷めやらぬ様子で特別な時間を振り返った。
【3日目】
10:00 最終日はTIF2024オリジナルTシャツ着用者限定ステージに、INUWASIとDevil ANTHEM.との3組でZepp DiverCityに立った。2つの企画ゲームを行った後に「鼓動」を歌唱。阿部は「ずっと憧れだったステージに参加できて、とても幸せでした」と喜んだ。
11:45 谷が「アイふた in TIF 出張版トークステージ」にカワイレナ(手羽先センセーション)と橋本侑芽(Devil ANTHEM.)の3人で登壇。自分のキャラクターを「おバカ」と紹介するなど、リラックスした様子でトークを盛り上げた。
13:00 TIF最後の特典会に臨んだ。
16:00 TOKYO IDOL 縁日でもファンと交流。暑い中でも爽やかな夏を感じさせた。
夕暮れ時、最高のロケーション「儚い色の空でした」
18:25 タイトル未定、TIF最後のステージは湾岸スタジオ屋上にあるSKY STAGE。夕暮れ時、最高のロケーションでの「薄明光線」。冨樫が「儚い色の空でした。3日間本当に楽しくて、まだ終わって欲しくないなぁと思いながら、1曲目の曲振りをしました」と振り返ったように、景色とマッチし〝エモさ〟は倍増した。「蜃気楼」と続き、最後の「青春群像」では阿部が「またTIFで会おう」と真っすぐな歌声を響かせた。谷は「初めての年に立った時のことを思い出しちゃいました。その年も夕暮れのとても素敵な時間だったなーと、ライブ中にうるうるしてしまいました」と心の琴線に触れた。阿部も「とっても素敵な時間帯を頂けたので嬉しかったです。人もたくさん集まってくれたので、3日間の集大成を見せられたんじゃないかなって思います!」と充実の表情を浮かべた。万雷の拍手に包まれながら、タイトル未定のTIFは大団円を迎えた。
努力の結晶 初めて3日間フル出演
グループとして初めて3日間フル出演を果たした。ステージの規模だけではなく、その時間や情景に合ったセットリストを組める豊かな音楽性は、惜しみない努力の結晶だ。冨樫も「タイトル未定という新しいジャンルが作れているんじゃないかなと思います。どんどん幅が広がって自由になっている感じがするので楽しいです」と手応えをつかんだように、初見のオーディエンスも魅了するなど、長濱ねるチェアマンの期待にたがわぬ結果を残した。3人体制でも成長を示したタイトル未定は、次にどんな景色を見せてくれるのか―。そんな期待を抱かずにはいられない3日間だった。
■冨樫優花
今年はどのステージでも、お客さんの目が真剣に私たちに向いているのを感じました。初めてタイトル未定を見ようとしてくれていた人も多かったのかなぁ。良い意味ですごくプレッシャーでした。特に1日日に立ったSMILE GARDENが印象的で、圧倒されるくらい後ろまでびっしりのお客さんが、私たちと一緒に「夏のオレンジ」を踊ってくれて、感動しました。すごくうれしかったし、自信にもなりました。あとは「IDOL SUMMER JAMBOREE」の「深夜高速」です。この日を想って、たくさん準備をしました。夢のような、忘れられない時間でした。
■阿部葉菜
毎日エゴサーチをしていたんですが、まだ私たちの個人の名前も分からない方にまで届いていたみたいだったので、また新しく好きになってもらえていたらいいなって思います! 印象に残ったのは、1日目のSMILE GARDENです。仲良しのTask have Funさんとのコラボが本当にみんなびっくりしてくれていて楽しかったです! やっぱり伝説が作られていくステージなんだなって今年も思わされました。
■谷乃愛
タイトル未定としては3年出演、そして3年連続メインステージ出演ということで、一つ一つのステージに感謝を込めて、来てくれた人たちを楽しませるを目標に挑みました。ステージを見に来てくれた人たち、SNSでの反応で手応え抜群です! 印象に残っているのは、やっぱりHOT STAGEです。毎年違う景色が見られて、今年はさらに最高な景色を見ることができてすごく幸せでした。