【プレーバック・写真入り】J1第26節 札幌2-2福岡(8月10日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
後半AT9分に田中克が劇的弾 3連勝狙った初戦はドロー決着
本拠地の札幌ドームが名称を変更して最初の試合。最下位に沈む北海道コンサドーレ札幌は、この試合からの3連戦で勝ち点9を狙うと宣言していたが、最初のアビスパ福岡戦は2-2で引き分けてしまった。互いに中2日で迎えた一戦。立ち上がりからゆるやかにゲームは進んでいったが、最終盤は劇的なゴールの奪い合いを演じ、ドロー決着となった。
堅守速攻の福岡に対し、札幌はパスをつなぎながら相手陣内に押し込んでいったが、なかなかシュートまではつながらず。反対に自分たちのミスから先制を許してしまう。ケガから復帰して11試合ぶりに先発出場となったMF宮澤裕樹(35)が自陣ペナルティーエリア内で相手FWのプレスを受け、奪われたところで相手を倒してPKを献上。それをきっちりと決められてしまった。
前半の札幌は相手を押し込みながらシュートはわずか3本、枠内0本と精彩を欠いた。それでも後半15分、MF青木亮太(28)のロングフィードからMF近藤友喜(23)が抜け出し、右サイドから相手ペナルティーエリアに侵入して、相手GKと1対1となり、かわしたところで倒されてPKを獲得。VAR検証が行われ、長くインターバルが空いたが、FW鈴木武蔵(30)は冷静にゴール右に沈めて同点に追いついた。
同19分にはFWジョルディ サンチェス(29)が相手DFライン裏へ抜け出し、そのままゴールネットを揺らしたが、これは惜しくもオフサイドの判定。守護神GK菅野孝憲(40)もファインセーブを連発し、90分を終えた時点では引き分け濃厚な雰囲気が漂っていた。
後半アディショナルタイムの表示は6分。その6分まであと少しとなり、最後のワンプレーかと思われた自陣ゴール前での攻防だった。相手の右クロスに対してDF馬場晴也(22)のヘディングクリアが甘くなり、そのボールをファーサイドにいた相手DF亀川に右足ダイレクトボレーで決められてしまった。
しかし、札幌も最後まで諦めていなかった。同9分、途中出場のMF田中克幸(22)が敵陣右サイドのスローイングの流れからボールを受け、ゴールまで斜め45度、約25メートルの距離から左足を一閃。ニアサイドに突き刺す強烈ミドルで同点ゴールを奪った。
結局、アディショナルタイムは10分まで延長され、さすがにここで試合終了。2度リードされながら追いつく強さも見せたが、終了のホイッスルが鳴るとミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)はガックリとうな垂れ、肩を落とした。試合後は「諦めない気持ちが同点ゴールにつながった。引き分けという結果は残念だが、最後まで戦った選手たちを決して責めることはできない」と前を向いた。
試合詳細コチラ
■自身の誕生日に加入後初のスタメン出場となったDFパク ミンギュ(29)
「先発出場できたことはすごくうれしいですが、ホームゲームでサポーターの皆さんに勝利を届けられなかったということは残念です。誕生日だから、というのは特にないですけど、ホームでの初先発という意味で、勝ちたかったという思いが強かったです」
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