札幌FW鈴木武蔵が1カ月前の悪夢にリベンジPK弾 譲るつもりも仲間の後押し受けて決断
■J1第26節 札幌2-2福岡(8月10日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
今季3点目でホーム初ゴール
北海道コンサドーレ札幌FW鈴木武蔵(30)が後半20分にPKを決めて、今季3得点目をゲット。札幌復帰後初となるホーム戦でのゴールを披露した。
「ジョルディに譲ろうとしたら…」
後半15分に相手DFライン裏へ抜け出したMF近藤友喜(23)がペナルティーエリア内で倒されてPK獲得。その直後、鈴木はキッカーを務める気がなかったという。「僕は本当に蹴る気が無くて。試合前とかも(宮澤)裕樹くんとかに譲ろうと思っていたんですけど。ジョルディに譲ろうとしたら、ジョルディから『おまえが蹴れ』って」と後押しされ、心は決まった。
1カ月前の悪夢 悔しい気持ちを胸の奥に抱えたまま…
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先月13日に行われたホーム神戸戦(1△1)。同点の場面で札幌が得たPKで鈴木はキッカーを務めたが、シュートは相手GKにキャッチされてしまった。絶好の勝ち越しチャンスを逃した札幌は、その後もスコアを動かせないまま試合終了を迎えた。
悔しい気持ちを胸の奥に抱えたままになっていた中で、再び迎えたPKの局面。鈴木にはプレドに詰めかけた大観衆から大きな手拍子が送られた。「本当に頼むから入ってくれと。もう、ほぼ神頼みのような感じでやりました」。
蹴る直前でコースを変更
覚悟を決めた鈴木は「真ん中に蹴ろうと思ったけど、直前で変えました」と、ゴール右下のコースを選択。右足から放たれたシュートは、相手GKに阻まれることなく、福岡ゴールの中に吸い込まれた。「めちゃくちゃホッとしましたし、うれしかった。ホーム初ゴールが遅くなりましたけど、決められて良かった」。1カ月前のリベンジを果たし、ようやくホームで自身のゴールを披露することができた。
チャントが5年ぶりに復活
7月20日のアウェー浦和戦(4〇3)で今季のリーグ戦初ゴールを挙げた直後から、「武蔵ゲットゴール! 鈴木武蔵!」という前回在籍時に歌われていた個人チャント(応援歌)が復活。この日も試合前の練習時から同曲が歌われ、約5年ぶりに場内に響き渡った。「本当にうれしいです。レンタル(加入)の選手にはそういうチャントやコールをしないそうなんですけど、異例(の復活)ということもあって、僕の中ではすごくうれしくて。試合前にああやって歌ってくれることで、また気持ちも高ぶりますし、本当にありがたい」と感謝の思いを口にした。
直近3試合で3得点
自身のゴールこそ生まれたものの、最終的な結果は引き分け。残留争いの直接対決となる次節のホーム鳥栖戦(16日、プレド)には必勝態勢で臨む覚悟だ。「いわゆる6ポイントゲームというやつですけど、自分たちのやってきたサッカーを鳥栖戦で全力で出すだけなので。ミシャさんを信じて、仲間を信じて、ホームで勝利をつかみたい」。ここ3試合で3得点と、ついに勢いに乗り始めたエースストライカーが、苦境の札幌を救うため、残り12試合でゴールを量産していく。