あの悔し涙は忘れない 白樺の扇の要・浅野捕手が106回の大会史に残らなかった幼なじみの分まで
11日第4試合で創成館と対戦
全国高校野球選手権1回戦で創成館(長崎)と対戦する北北海道代表の白樺は試合前日の10日、3日連続の紅白戦で最終調整を締めくくった。浅野壮音捕手(3年)の地元の先輩は、コロナ禍で中止になった2020年センバツ甲子園代表の白樺・業天汰成捕手(拓殖大)。代替試合として行われた夏の甲子園交流大会では、大トリで出場して山梨学院に3-8で敗戦。いまもアドバイスをもらう先輩に、甲子園の勝利を届ける。
「地に足つけてやっていきたい」
試合前、最後の紅白戦ではバットの具合をチェックする程度。白樺の扇の要は「いよいよかと。やっと待っていたと、楽しみにしていた。初戦ということで難しい部分もある。立ち上がりが大事になってくると思うので、地に足をつけて自分たちのできることだけをやっていきたい」と静かに闘志を燃やした。
20年夏の甲子園交流大会に出場した先輩の姿を追って
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業天の実家は、浅野の実家から「歩いて1分」。業天のあとを追うように、小学校から高校まで全て同じチームでプレーした。夏の甲子園交流大会は、家族などを除き無観客で行われた。テレビで観戦した浅野は業天の悔し涙を覚えている。「今でも連絡を取っていて、キャッチャーで教えてもらうことがたくさんある。配球やスローイングとか業天さんのスローイング動画を参考にしながらやっていました。昨秋と比べてスローイングも良くなったし、配球も前より全然良くなった」。12年間、歴代同じ指導者から学んだことを生かしながら、悔しい思いをした先輩の分も全力で甲子園で躍動する。
2年生が副主将で立場逆転!?
チーム内の空知滝川リトルシニア出身者は、ベンチ入り20人中、最大派閥の4人。浅野以外は2年生で、上一颯遊撃手、主砲の大西遥斗外野手、桜庭翔内野手がメンバー入りした。「上も大西も副キャプテンという立場になって、自分が下の立場になったので、そんなに引っ張ってとは思っていない(笑)。キャッチャーとしてゲームをうまくリードしてやっていけた」。数少ない3年生として、エースの半澤理玖投手(3年)、神谷春空投手(2年)の長所を引き出し、勝利をたぐりよせる。