■８月１１日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
▽練習試合（３０分×２）　札幌３－１札幌大学（１－０、２－１）　札幌得点者：バカヨコ、家泉、出間

　北海道コンサドーレ札幌は札幌大学と練習試合を行い、３－１で勝利した。左ハムストリング肉離れで戦線離脱していたＭＦスパチョーク（２６）が、約２カ月ぶりに実戦復帰。次節ホーム鳥栖戦（１６日、プレド）での公式戦復帰に向けて前進した。

先発して２本目で交代するまで４０分プレー

　また１人、札幌に頼れる男が戻ってきた。「この練習試合で、自分が今までやってきた感覚に戻れるようにしようと思って。しばらくプレーしていなかったので、サッカー勘やコンディションがどうなのかを試してみたけど、そんなに変わっていない感じで、結構良かったと思います」。先発出場し、２本目の１０分に途中交代するまでの４０分間を振り返った。

　いきなり結果も出した。開始早々の１本目２分、ペナルティーエリア内でボールを持つと、ＦＷアマドゥ・バカヨコ（２８）へラストパス。パスを受けたバカヨコがきっちりゴールを決めて札幌が先制。復帰戦の立ち上がりで早くも１アシストを記録した。「あの突破はチームの形。アマがいい動き出しをしてくれたので、自分はパスするだけだった。いいシュートができてよかった」と、今後コンビを組む機会も増えそうな新加入ＦＷをたたえたが、スパチョークもまたチームに欠かせない重要なピースであることを、復帰初戦で証明した。

W杯アジア２次予選シンガポール戦は勝ったが…

　タイ代表の一員として、６月１１日に行われたＷ杯アジア２次予選の最終戦・シンガポール戦に先発出場。３点差以上で勝利すれば最終予選進出が決定する状況下で、１－１で迎えた後半２６分に攻撃の中心だったスパチョークが左足を痛めて負傷交代。結果は３－１の勝利。中国と勝ち点、得失点差、総得点で並んだものの、１分１敗という直接対決の戦績により敗退が決定。スパチョークにとっては、自身の負傷と母国の予選敗退という二重の悔しさを味わう結果となった。「代表でケガをしてしまって、気持ち的にも良くなかったし、さらに札幌のチームのために自分が何もできないことにも、結構落ちこんでいた」と、長期離脱していた２カ月の心境を口にする。札幌もまた最下位に沈む苦況に追い込まれているが「これからまたチームに貢献したい」と、自身が復帰する今後の戦いでの巻き返しを誓う。

「良い感覚でできた」後は監督の判断次第

　戦線復帰までの最終ステップを踏んだことで、「次の試合に出られるかは監督次第ですが、今日は良い感覚でやることができた」と、次節鳥栖戦でのメンバー復帰を視野に入れる。戦線離脱前までは１得点４アシストを記録するなど、チームの攻撃の核を担ってきたタイの至宝が、札幌にさらなる追い風をもたらす。