夏季スポーツ
2024/08/11 14:50

1投目から全開  北口榛花 女子やり投げ金メダルも満足せず【パリ五輪】

女子やり投げで金メダルを獲得した北口=共同

マラソン以外の陸上女子種目で日本勢初の金

 【パリ共同】パリ五輪第16日の10日、陸上女子やり投げで北口榛花(26)=JAL、旭東高出=が65メートル80で優勝し、マラソン以外の陸上女子種目で日本勢初の金メダルを獲得した。昨年の世界選手権との2冠。陸上では2004年アテネ五輪の男子ハンマー投げの室伏広治、女子マラソンの野口みずき以来5大会ぶりの「金」となった。旭川市出身で、旭東高で陸上を始めた。初出場の21年東京五輪は日本勢57年ぶりの決勝に進出したが、けがの影響で12位。チェコを拠点に実力を伸ばし、世界に飛躍した。

「6投目までのんびりしていられない」

 過去に最終投で何度も逆転劇を演じてきたが、この日の北口は違った。陸上女子やり投げの世界女王は「いつもみたいに6投目までのんびりしていられない。周りに重圧をかけられるように絶対に1投目からいく」と決めていた。最大限に集中力を高めて放たれたやりは65メートル80に到達。1投目の自身最高記録となった。

 予選では6人が自分よりいい記録を出した。警戒心を強め「最初から6投目(と同じ)ぐらい集中した」という。試合前練習も隣接の補助競技場ではなく、本番会場のトラックと似た感覚の別の練習場を選び、念には念を入れた。2投目以降は伸ばせなかったが、誰にも抜かれず、最終投てきを待たずして歓喜の瞬間が訪れた。

貪欲さの原点はチェコでの出来事

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい