福島蓮が圧巻投球でプロ2勝目! 剛速球復活させたピンポイント・アドバイスは…
■パ・リーグ17回戦 西武1-5日本ハム(8月12日、エスコンフィールド北海道)
七回途中1失点
会心の投球に、3万超の観衆が酔いしれた。日本ハムの福島蓮投手(21)が12日、エスコンフィールド北海道で行われた西武戦に先発し、七回途中1失点と好投した。
6月2日・DeNA戦以来のプロ2勝目をゲットし「最近ふがいない投球が続いていたので、何とかいい投球をしようと思って臨みました。先輩方がたくさん打ってくれたので、とてもありがたかった。(白星を)自信にします」と充実の表情を浮かべた。
六回まで無安打で記録への期待も
回が進むごとに、大記録達成への期待が膨らんだ。立ち上がりを3者凡退でスタートすると、三回までは1人の走者も許さないパーフェクト投球。四回先頭の源田を四球で歩かせるも、その後はスイスイとアウトカウントを稼ぎ、六回まで無安打で乗り切った。
「全く意識していなかった」
快挙の予感が漂うフィールドの中で、平常心を保ち続けた。七回無死から西川に、この試合初安打となるソロ本塁打を浴びたが「ノーヒットノーランは全く意識していなかったです。(四回先頭への四球も)フォアボールを出す投手なので、開き直って切り替えて、そこからもう1回集中しました」と即座に気持ちをリセット。試合を通して心を乱さず淡々と腕を振り続けた。
平常心保ち続けるのは幼少時から変わらず 一貫した理由があった
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ひょうひょうとしたマウンド上での立ち居振る舞いは、幼い頃から変わらない。その理由を、福島は「小、中学はエラーが多いチームだったので。(態度に)出しても意味ないじゃないですか? だから、出さないようにしてました」と笑って明かす。仲間のミスは責めず、活躍を喜び合う。一貫した姿勢をプロになった今なお、崩さずにいる。
直球の威力が落ちてフォーム修正
快投の陰には、首脳陣との綿密なコミュニケーションもあった。ここ数試合は「体がうまく使えなくて(上半身と下半身が)バラバラになっていた」と、生命線とするストレートの威力を失っていた。
建山コーチ「見違えましたね」
首脳陣はパフォーマンスを立て直すための鍵を『体重移動だけ』とピンポイントで見抜き、修正を試みた。建山投手コーチは「足を上げて、軸足でしっかり押す。支えている自分の体重を、しっかり打者方向に移動させるエクササイズをやりました。他の投手コーチと3人で協力しながら(フォームの調整を)やって、自分のボールを取り戻してくれた。見違えましたね」と、取り組みの一端を説明した。
今後は登録を抹消し、次回登板に備える予定。新進気鋭の豪腕は、失敗と成功を繰り返しながら、着実にステップアップを遂げていく。