《平川弘のCool Eye》窮地を救った田中克のミドルは鳥栖戦の布石にもなる
首の皮一枚つながった
ペトロヴィッチ監督が「3戦で勝ち点9」と明言していた、その初戦の福岡戦(2△2)。終盤に粘って何とか追いついたが、結果は勝ち点1。首の皮一枚つながったと前向きに考えていかないと次に進めない。
パクミンギュはもう少し時間必要
福岡戦では新戦力のDFパクミンギュが初先発した。3バックの左ストッパーや左ウィングバックの位置で奮闘した。韓国人らしく体のキレや速さがあり、運動量やアップダウンの回数も多い。ただ、ビルドアップの部分ではミスもあり、つなぎの柔らかさはなく下手。周囲と連動して動くというところでは、もう少し時間が必要な感じがした。
選手起用や陣形に選択肢が増えた
パクミンギュが入ったことで福岡戦のようにDF中村をボランチで使ったり4バックにする選択肢が増えた。得意の対人プレーはこれからクオリティーが上がっていくだろう。
試合勘が戻ってなかった宮澤の起用
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DF岡村が捻挫したため、久しぶりにリベロで先発したMF宮澤。ケガから復帰したばかりで試合勘の部分で不安を抱えていた。精神的支柱の宮澤が、ペナルティーエリア内でボールを奪われるチョンボ。チーム内では誰も文句を言えなかっただろう。PKで先制され、出足でつまづいた。
これまで宮澤がプレーしたゲームは内容が良かっただけに今回は勝手が違った。宮澤と言えどもコンディションが整っていないとチームを引っ張るプレーはできない。彼を使わざるを得ない台所事情だったのだろうが、そこは指揮官の責任だろう。
あの距離からニアは相当な意外性
窮地を救ったMF田中克幸のミドルシュート。後半アディショナルタイムでの失点直後だっただけに衝撃の一発であった。GKのニアサイドを射抜いた同点弾。GKはニアを抜かれてはいけないというのがセオリー。あの距離からニアを抜いたのは、相当な意外性とシュートのキレがあったから。多分、田中克はニアを狙った訳ではないと思うが、一瞬、開いたシュートコース、タイミングを見逃さなかった。あれが打てるということは相手DFの裏へのスルーパスを通せるということ。鳥栖戦でも打たせまいとDFが寄せてくるので裏が空くはずだ。
次節の19位・鳥栖戦はまさに〝6ポイントゲーム〟。分かっていると思うが、負けたら終わりである。