ファイターズ
《ハム番24時》8月16日
夏の甲子園が折り返しを過ぎた。智弁和歌山高出身の細川に聞きたいことがあり、練習前に声をかけた。同校は初戦で霞ケ浦高に惜敗したが、開会式で印象に残るシーンがあった。辻旭陽主将が務めた選手宣誓だ。
甲子園100周年の歴史に触れ、先人たちに敬意を示しながら、大舞台に立つことへの喜びと感謝が込められていた。堂々と大役をやり遂げた4学年下の後輩をどう見たのか―。細川は「高校球児、現場で関わる人たちや高校野球を経験した人、野球を始めたばかりの小学生の気持ちを代弁してくれた。甲子園が全てではないけど、目指していた身としては特別な場所。100年先も―という言葉がありましたけど、辻くんが言ってくれた通りだなと思いました」と感心していた。
また、宣誓の途中で「努力したとしても、報われるとは限らない。しかし、努力しなければ報われることはない」というフレーズを盛り込んでいた。2020年に特別指導を受けた縁があるイチロー氏の金言を引用していた。
この選択にも共感した。「イチローさんとの交流は大きな意味がありました。そういうところも含めて智弁のプライド、誇り、上品さが詰められていて良かったと思います」と目を細めた。この日、細川はチーム事情で登録抹消となったが、再昇格を目指し、高校時代と同じように誠実に野球と向き合っていく。