残留争いライバル撃破! MFスパチョーク&MF駒井善成の活躍で鳥栖との〝6ポイントマッチ〟に勝利
■J1第27節 札幌5-3鳥栖(8月16日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
両軍合わせて8得点が乱れ飛ぶ乱打戦の末、20位の北海道コンサドーレ札幌が19位の鳥栖を撃破。生き残りを懸けた〝6ポイントマッチ〟を制し、鳥栖との勝ち点差を5、残留圏17位・磐田と勝ち点差を9に縮めた(16日時点)。次節は25日、磐田のホーム・ヤマハへと乗り込んで残留争いの直接対決〝第2ラウンド〟に挑む。
戦線復帰した2選手が勝利に貢献
J1残留のためには絶対に落とすことができない大一番。流れを札幌にたぐり寄せたのは、ピッチに帰ってきた2人の選手だった。
スパチョークのゴールで先制
まずは6月2日アウェー東京V戦(3●5)以来、約2カ月ぶりに出場したMFスパチョーク(26)だ。前半10分、FKのクリアボールに反応すると、ワントラップした後、ペナルティーエリア手前から右足を一閃。相手DFに当たってコースが変わったシュートは、鳥栖GK朴一圭(34)の左手をかすめてゴールイン。何としてでも有利に展開したい一戦で、のどから手が出るほど欲しかった先制点を奪い取った。
「こぼれ球からでしたけど、あのタイミングはシュートをしないといけない状況なので撃ちました。思ったよりも良いパフォーマンスを出せたというのが非常にうれしかった」と振り返り、胸を張った。
大一番にミシャが強行出場を決断 当初は短時間での起用方針も…
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思いがけない先発起用だった。今月11日に行われた札幌大学との練習試合でようやく実戦復帰を果たしたばかり。鳥栖戦でもメンバーに入れるかどうか、首脳陣の中でも意見は分かれたが、最終的にこの試合の持つ意味を重要視したミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)がメンバー入りを決断。途中出場で短時間の起用という方針で試合に臨もうとしていた。
浅野の負傷で急きょ先発
だが試合前練習の最中に、スタメン出場が予定されていたMF浅野雄也(27)が左もも裏を痛め、急遽出場を回避。その代役として白羽の矢が立ったのがスパチョークだった。結果的には後半19分に途中交代するまでの64分間をプレーし、1ゴール1アシストと結果を残した。「体の準備はできてましたが、プランとしては20分、30分、40分と段階を踏んでフル出場だったので。ここからのステップが変わってしまいました」と苦笑いを浮かべつつも、何とか無事に復帰初戦を乗りきった。
前節欠場の駒井が2得点
そして追撃となるゴールを立て続けにマークしたのが、体調不良のため前節福岡戦(2△2)を欠場していたMF駒井善成(32)だ。先制点からわずか1分後の同11分、スパチョークの左サイドからのクロスに、ゴール前へ走り込んだ駒井がダイビングヘッドで鳥栖ゴールへと叩き込んだ。「前線からプレスという、自分たちがいつもやっていることがしっかりとできて、チェックからいいボールが来て。狙いとしているショートカウンターができたので、1点目はチームとしての形ができていた」。
さらに同16分、再びスパチョークが左サイドからクロスを上げると、相手DFがクリアしたボールに反応して右足を振り抜いた。見事な右足ボレーがゴールに突き刺さり、札幌がリードを3点に広げた。「2点目も、逆のシャドーが持ったときに縦に抜け出して。自分には(クロスボールが直接)合わなかったけど、そのこぼれ球をしっかり決められたので良かった」と、わずか5分間で決めた2得点を振り返った。
複数得点は12年ぶり
駒井の1試合2得点は、J2京都時代の2012年10月21日岐阜戦以来3度目。J1では自身初の複数得点マークとなった。「プロ2年目のときに決めた以来、決められてなかったけど、今日2点取れて、結果的にあの点差で勝てたので良かった」と、実に12年ぶりとなる出来事を喜んだ。
後半に3点取られるのは課題
絶対負けられない決戦で勝利を挙げたことは喜ばしい一方、3点を先行しながらも、2度に渡って1点差に迫られる試合運びには課題が残った。駒井は「チームとしては本当にダメなことだと思っている。3-0で前半を折り返したときも、絶対に無失点で行くって言っていて、集中はしていたけど、結果的に後半に3点を取られるというのは、本当にあってはいけないこと。チームとしてまだまだ甘さがある」と、自身を含めたチームの後半のパフォーマンスを反省。「やっぱりゼロ(無失点)で勝ちたいです」と、今後の戦いに向けての守備の立て直しを誓う。
次節も残留争いのライバルと対決
この勝利で勝ち点を19まで伸ばした。次は16日時点で残留圏内の17位につける磐田と、再び〝6ポイントマッチ〟を戦うこととなる。「相手も残留争いをしているチームだけど、どこが相手でも1試合1試合、勝ち点3を積み上げる。もう僕たちにはそれしか道がないので、しっかり勝ち点3を取るという意識で臨みたい」と、駒井は再び生き残りを懸けた一戦へ強い意気込みを見せた。直近4試合で13得点と、ようやく長い眠りから目覚めた札幌攻撃陣が、敵地で再びライバル撃破に挑む。