《岩本勉のガン流F論》鈴木健、マルティネス、佐々木誠に食らった3連発 フランコ、初芝、佐藤幸彦にも
■パ・リーグ20回戦 日本ハム2ー5オリックス(8月18日、京セラドーム大阪)
江川卓しかり本塁打は仕方ない 悪かったのは…
エース伊藤のピッチング内容に尽きる試合だった。ズバリ言わせてもらうで! 本塁打を打たれるタイミングが悪すぎた。一発を食らうのは仕方ない。もともと球離れが早く、ボールのキレで勝負するタイプ。こういうこともある。あの江川卓しかり、だ。変化球が浮いたから―。はたまた、スライダーを待たれていたから―。本人が理由を分析できていたなら、問題はない。
3本中2本が得点直後の一発
問題ありなのは、タイミングだ。3本中2本は味方が得点した直後。残る1本は、杉本に2打席連発となる3ランを食らった。ベンチは、冷めはしなくとも、ずっこけるシーンだったはず。「ここで食らうんかい!」「もっと慎重にいかんかい!」と。
見せてほしかったギアチェンジ、エクストラパワー
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打たれどころの悪さは本人が一番、分かっている。その証拠に「冷めた伊藤」が顔をのぞかせてしまっていた。二回2死走者なしから、杉本にこの日1本目の同点弾を浴びた。そこから、伊藤は一見、冷静に見えるマウンドさばきを見せていった。見せてほしかったのはギアチェンジ。エクストラパワーを披露してもらいたかった。
忘れられない3者連続ホームラン
一球一球、野手は分かっているものだ。私も過去に痛い一発をもらったことがある。3者連続ホームランもあった。鈴木健、マルティネス、佐々木誠(1997年9月29日の西武戦)。フランコ、初芝、佐藤幸彦(98年5月8日のロッテ戦)。3本目の佐藤幸彦さんに至ってはランニングホームランだった。
ピッチャーの一挙手一投足を見ている野手
ただ私は、打たれた時ほどハイギアで次の打者から、是が非でも三振を奪いにいった。バテバテになってまでも。結果はどうあれ、そういった姿は野手に伝わるものだ。それができていたのが、この日の山下だった。序盤のストレート勝負から、カーブを軸にした投球に変更し、「よっしゃー」と気合を発しながら投げていた。
伊藤はすでにエースだ。同じバッターに本塁打された。キャッチャーも含め、そこはきっちり反省してもらいたい。
尾を引かない3連敗 大事なのは次カード
オリックスに3連敗。だが、問題視はしていない。ここまでの9連戦を5勝4敗で乗り切った。切り替えは可能だ。大事なのは次カード。激しい2位争いを繰り広げているロッテとの3連戦だ。日本ハムにとっては「天王山」とでも表現したいほど、大切なビジター3連戦となる。