北大が春王者・星槎道都大から金星 「7大戦」で東大にコールド勝利した勢い生かす【札幌6大学野球】
■札幌6大学野球秋季リーグ戦 第1節第1日(8月21日、札幌円山)
▽星槎道都大(1敗)1-2北大(1勝)
飯島がプロ注目・佐藤と投手戦
波乱の幕開けだ。秋季リーグの開幕戦は、春季最下位だった北海道大が春季優勝で全日本大学選手権にも出場した星槎道都大に劇的サヨナラ勝利した。北大は主力野手2人が大学の試験に出席する関係で欠いた中、先発した飯島孝平投手(4年、福岡・西南学院高)が星槎道都大のプロ注目左腕・佐藤爽投手(4年、札幌山の手)と八回まで互いに無失点の投手戦を展開。九回に先制を許したが、その裏に同点に追い付くと、さらに2死三塁から代打・桜井寛明内野手(2年、神奈川・川和)が決勝打を放って2022年秋以来の開幕勝利。10年以来のリーグ優勝へ好発進した。
2年・桜井がサヨナラ打
桜井の記念すべき大学公式戦初安打が殊勲の決勝打になった。九回2死三塁、カウント2-2からの直球にしぶとくくらいつくと打球は詰まりながらも中前に。「打球は弱かったんで、とにかく『落ちてくれ』ってことしか頭になかった」。歓喜の瞬間では、桜井が一塁を回ったところで飯島投手が一番に飛びついた。息詰まる投手戦を制した飯島は「1対0で、1点も取られずに勝つのをずっと目標にしてた。最後に1点を取られてしまったのが悔しいけど、最低限のピッチングができた」。北の最高学府が、春王者とギリギリの攻防を制した。
七大戦で3位 「すごくいい練習台になりました」
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大会直前の8月13日~16日まで愛知県内で行われた旧帝国大による恒例の「七大戦」に出場。開幕戦で東京六大学の東京大を七回コールドで撃破するなど、7大学中3位の成績。飯島は東大戦で1失点完投勝利。「東大戦で結構いいイメージを持っていたので、同じ感じで今日も入れたので、すごくいい練習台になりました」。1年ぶりのリーグ戦勝利につなげた。
国立大で野球が強いところへ
2010年には全国大学野球選手権で8強入り。飯島の志望動機も「国立大学で野球が強いところを探してて、神宮ベスト8っていう国立の中で一番勝っていたチームだったので、そこで神宮に出たい」と決断した。福岡の高校では野手と平行しての投手だったが、北の大地で本格的に投手に専念。この日の勝利で通算4勝目をマークした。
今秋は2部降格の危機も
北大は19年に2部降格を経験するなど近年は低迷が続いていたが、昨秋は20季ぶりに3位に食い込んだ。今春は最下位で入れ替え戦に進むも、2部優勝の札幌国際大に1勝1敗で残留を決めた。今年4月中旬には、老朽化した練習グラウンドの環境整備する費用を捻出するためにクラウドファンディングを実施。目標額300万円に対し、6月の締め切りまでに最終的に500万円を超える寄付金が集まるなど、野球部の強化に向けて機運は高まっている。
次は4年生2人が暴れてくれる
14年ぶりのリーグ制覇へ残りは9試合。開幕戦には大沢楽汰主将ら野手2人が試験で欠場したが、22日から復帰予定。「明日、4年生2人がしっかり暴れてくれると思ったので、まずは僕が勝って、つなぐっていう思いはありました。試合前から勝ったら金星って思われると思っていた。誰も北大が勝つと思ってなかったと思うので、これを明日も勝って、北大が勝ち続けるのが当たり前だと皆さんに思ってもらえるように、しっかり今日のピッチングを続けていきたい」。秋の嵐の主役は、創部123年の古豪がつかみ取る。