札幌GK児玉潤がビッグセーブ連発も千葉の直接FK一発に泣く 天皇杯は4回戦敗退
■天皇杯4回戦 千葉1-0札幌(8月21日、千葉・フクダ電子アリーナ)
被シュート17本
またしてもベスト16の壁は破れず…。2006年以来18年ぶりの天皇杯ベスト8入りを目指し、敵地で千葉と対戦した北海道コンサドーレ札幌。加入後2試合目の公式戦先発出場となったGK児玉潤(26)が17本のシュートを浴びながらも再三の好セーブでゴールマウスを守ったが、前半45分に決められた直接FKでの1失点を最後まで取り返すことができなかった。昨年に続き、ラウンド16で姿を消すこととなった。
ノーチャンスだったで終わらせれば成長なし
決勝点となった千葉MF品田愛斗(24)の直接FKは、ゴール右上隅のバーをかすめながら札幌ゴールへと吸い込まれたスーパーなもの。児玉は「ノーチャンスと言って終わらせたら成長はない。別に止められないものとも思わないし、これからの取り組み次第では全然止められる可能性が自分にはあると思っている。その1点で負けたというのを、すごく重く受け止めなければいけないし、GKとして、もっともっとやるべきことがたくさんある」と悔しさをにじませた。
「札幌に来て、カップ戦要員という形で終わりたくない。しっかり天皇杯で結果を残して、自分の力でスタメンを取るためにも、明日の試合は大事になる」。前日に強い意気込みを語って臨んだ児玉は、加入後初対戦となったJクラブ相手にも攻守両面で好パフォーマンスを披露した。
相手のプレスへの対策をもっと 「あのぐらいの余裕を…」
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試合開始直後から持ち前の高い足元の技術を発揮し、長短の多彩なパスを何度も味方に通していく。〝11人目のフィールドプレーヤー〟の存在もあって、前半20分近くまでは札幌が試合を支配。だがその時間帯が過ぎると、試合の流れは徐々に千葉へと傾いていき、児玉のパス精度にも若干の狂いが生じ始めた。
「相手のプレスに対してのプランをもっと明確に打たなければいけなかった。後半の良い流れのときは、ちゃんと相手のプレスを考えて配球できていたので、あのぐらいの余裕をゲームの入りからやらないといけない」と、流れを引き戻せなかったことへの反省を口にする。
意識してきたことピッチで出せた
何度も千葉に迫られて決定的な場面をつくられた札幌だったが、危機的状況の中で〝本職〟のアピールをしたのが児玉だ。前半19分にはゴール左隅へと向かう決定的なヘディングシュートを、懸命に左手を伸ばしてはね返すというビッグセーブを披露。同26分にもゴール前でのヘディングシュートを防ぐと、同29分には1対1の局面でシュートを横っ跳びでブロックするなど、好セーブを連発してゴールを死守。後半に入っても35分に再び1対1のシーンでシュートストップを披露するなど実力を発揮。「(セービングの)部分では大きな収穫。これまで練習で普段から意識してきたことが、このピッチで出せた」と、地道なトレーニングが公式戦の舞台で生きた。
「毎日の取り組みが全て」
天皇杯の敗退が決まり、札幌に残された公式戦はリーグ戦とルヴァン杯となった。「リーグ戦ではなかなか自分の出番がない中で、ルヴァン杯がある。毎日の取り組みが全てだと思うので、これからチームの力になれるように、また札幌に帰ってやっていきたい」。9月上旬に行われる横浜Mとのルヴァン杯準々決勝2試合での再アピール、その先の正GK奪取に向け、再び日々のトレーニングから己を磨いていく。