《荒木大輔のズバリ解投》さすがの新庄采配 いいと思ったら一番の場所で起用
■パ・リーグ24回戦 日本ハム4ー3ロッテ(8月22日、ZOZOマリンスタジアム)
登板6試合連続のセーブ 物怖じしない性格が魅力
大したものだ。育成から支配下登録を勝ち取り、現在クローザーを任されている柳川。この日、登板6試合連続のセーブを挙げた。彼の最大の武器はやはりストレート。スピン量も多く、角度もつけられている。何よりも、物怖じしない性格。度胸満点なところが特長だ。
緊張のシチュエーションでも堂々
1点差で迎えた最終回。先頭に四球を与えた。それでもバタつくことはなかった。最少点差、2位を争うロッテが相手。しかも敵地のZOZOマリン。それでも堂々としたものだった。
いきなりの大抜てき なかなかできない
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さすがの新庄采配とも言える。普通なら、支配下登録されたばかりの高卒3年目を、いきなりストッパーに抜てきできない。七回か八回、またはもっと前で経験を積ませてからなら、理解できる。それを、いいと思ったら一番の場所で起用する。素晴らしい素質は誰もが認める。だが、この起用はなかなかできない。本人も自信を深めているはずだ。
強気のリードで加藤貴を引っ張った梅林
今季初スタメンを果たした梅林も見事だった。緊張もあっただろう。序盤は加藤貴が首を振るシーンも多かった。だが、中盤以降は右打者のインコースへしつこく攻めた。ストレート、カットボールをどんどん内角へ投げさせた。ベンチで確認作業をしていたにせよ、強気に攻めさせ、気持ち良く投げさせたことで、加藤貴もペースを上げていけた。
ファームでの経験が今の表情に表れている
もう一人、ベテランの宮西にも触れたい。彼の存在は今、チームにとって本当に心強い。技術や経験は文句の付けようがない。今季、特に印象的なのが表情。実に穏やかで余裕に満ちあふれている。昨季までは遊びがなく、野手がマウンドに集まった時などは、厳しい表情を崩すことがなかった。状態の良さがそうさせるのだろうが、ファームを経験したことも大きいはず。彼ほどの実績がある選手に失礼ではあるが、あらためて1軍で投げられる喜びを感じているように見える。
「まだまだできるでしょ」 400ホールドは通過点
今季、球場に足を運んだ時、彼に言った。「まだまだできるでしょ」と。うれしそうな表情が印象的だった。その通り、まだまだできる。400ホールドは通過点。私もそう思っている。