コンサドーレ
2024/08/26 12:30

《こぼれ球》呼ばれる男

 

 今夏北海道コンサドーレ札幌に加入したFW白井陽斗(24)。出場した試合ではスピード感あふれるプレーで札幌の攻撃を活性化させているが、プレー面とは違った形でその存在を印象づけたのが、わずか10日間で2度も試合への緊急招集を受けたというエピソードだろう。

 札幌デビューを果たした今月7日のアウェー横浜M戦は、前日に移動した遠征メンバーの中にその姿は無く、試合当日の午前中に行われた練習試合でフル出場(60分間)。だがDF髙尾瑠(27)の体調不良での緊急欠場に伴い呼び出しがかかり、急きょ午後に千歳を発って横浜の地へと駆けつけた。

 そして同16日のホーム鳥栖戦では共にメンバー外となっていた他の選手たちと共にピッチサイドから試合前練習を見守っていた際に、先発メンバーに名を連ねていたMF浅野雄也(27)が負傷して出場を突如回避することとなった。「菅くんとかから『(メンバー入り)あるぞ』って、半分冗談みたいな感じで言われて。さすがに無いでしょって思っていたので、『用意して』って言われたときには『また!?』っていうのと、試合に出られるというので、感情がぐちゃぐちゃでしたね」。幸いチームが緊急時に備えて全員分の用具を準備していたこともあり、出場への支障は無し。自らの心と体の準備を整えて、後半45分からピッチに飛び出していった。

 磐田戦までリーグ戦4試合連続でメンバー入りを果たし、そのいずれの試合でも出場を果たしたが、当初メンバー入りの予定が無かった試合で1年に2回も出場したというのは、30年近い札幌の歴史の中でもおそらく初めてのケースではないだろうか。緊急時にも問題無く発進できる白井が、予定通りの先発出場という万全の態勢でリーグ戦に臨む日が来ることを待ちたい。

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