《荒木大輔のズバリ解投》称賛を込めて言いたい 「今まで何やってたんだ!」
■パ・リーグ19回戦 ソフトバンク3ー5日本ハム(8月25日、エスコンフィールド北海道)
予想よりも早く降板した先発の伊藤
リリーフ陣の強さをあらためて示したゲームとなった。先発の伊藤が5回3失点でマウンドを降りた。中継ぎ陣が盤石だからこそ、このタイミングで降板できる。私はもう1回ぐらいは続投するかな、と思っていたほどだ。
多岐にわたるゲームプランこそ強さの秘密
この展開に持っていける今のファイターズは強い。先発ピッチャーに少しでも危ない傾向が出れば、継投策にシフトできる。リリーバーの状態が良くなければ、スターターを引っ張らざるを得なくなる。結局、追い付かれてしまうといったシーンはよくあることだ。いくつもゲームプランを持っているのは大きい。
価値あるリリーフ 成長を遂げた右腕
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中でも2番手で六回のマウンドに上がった生田目。1死から内野安打を許したが、落ち着いて後続を抑えた。競った場面、しかも勝っているシーンで投げていることは知っていた。だが、実際に目の前でピッチングを見るのは初めてだった。
今も昔も変わらないボールの強さ
正直、甘いコースもあった。ただ、それでいいのだ。日本ハムで投手コーチをしていた時から、彼の持つボールの強さは分かっていた。それは今も昔も変わらない。私を含めて当時のコーチ陣は皆、彼の今の活躍を驚くことはないだろう。むしろ、称賛を込めて「今まで何やってたんだ!」と声を揃えるかもしれない。
甘くないプロ野球 さらなる飛躍に期待
良いボールを持っているが、打たれることを怖がり、際どいコースを狙いすぎていた。それで自分の投球を苦しくしてしまっていた。「ボール球なし。そのぐらいの気持ちでいけ」と言った記憶もある。自信を持ってピッチングしている彼の姿を間近で見られ、うれしかった。これから相手も、より研究してくる。このまま順調にいけるほど甘い世界ではない。ただ、現在の成功例を生かし、さらにレベルアップしていってもらいたい。
攻守ともに積極的な清宮
清宮にも触れたい。今、迷うことなく思い切り、バットを振れている。状態が良い証拠だ。それが守備にも表れている。七回無死一、二塁でバントの打球に猛チャージし、二走の三進を阻んだ。シフトを敷いていない中での見事な送りバント阻止。確実に守備力が上がっていることを示した。バッティング同様、積極性を持ってプレーできている。
CSを見据えて大きな勝ち越し
首位を独走するソフトバンクに勝ち越したことには大きな意義がある。まだまだゲーム差はあるが、クライマックスシリーズを考えると、相手に嫌な印象を与えることができた。