札幌が近藤&青木弾で磐田撃破! 鳥栖戦に続き〝6ポイントマッチ〟制し今季初の連勝
■J1第28節 磐田0―2札幌(8月25日、静岡・ヤマハスタジアム)
残留を争うチーム同士による絶対に落とすことのできない6ポイントマッチ。その第2ラウンドとなったアウェー磐田戦で、北海道コンサドーレ札幌は粘り強い守備と効果的な2得点で勝利を収め、今季初のリーグ戦連勝を飾った。前日に17位の湘南が敗れたため、残留圏内への勝ち点差は7に縮まった。残り10試合となったJ1リーグ戦。ひと筋の光明をさらに大きなものとすべく、札幌が勝負の9月戦線へと突入する。
近藤がポストの跳ね返り押し込む
負けられない両チームが試合の流れを引き寄せる上で、大きなウエートを占める先制点。互いにのどから手が出るほど欲しかった1点を先につかみ取ったのは札幌だった。前半9分、MF駒井善成(32)がダイレクトで放った縦パスに走り込んだMF近藤友喜(23)がペナルティーエリア内へと進入し、右足アウトサイドでシュート。これは左ポストに阻まれるも、跳ね返ったボールが再び近藤の前に転がると、今度はきっちりと右足で押し込んだ。近藤の今季3得点目で札幌が先制に成功した。
「善成さんのパスがすばらしかった」
「3人目の動き出しのところで、普段から練習で意識している部分を出せて、あそこで出してくれた善成さんのパスがすばらしかった。(最初の)シュートは撃ったときに『これポストに当たるかも』という感覚もあって、もしかしたらこぼれて来るかもという意識があったので、うまく拾えてよかった。そうやって思っていることが実際に起きるというのは、自分が乗っているというか、調子が良いときに起こることなのかなって思ってます」と、先制点のシーンを振り返る。
「もう足で撃つな」そんなこと言ったのは誰?
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ここまでの2得点はいずれも頭で決めたもの。足でのシュートは、これまでの試合で再三惜しいシーンをつくりながらも決め切れていなかった。「善成くんとかからも『もう足で撃つな』みたいなことを言われていたので(笑)、ひとつ結果を残せて良かった」と、加入後初の足で決めたゴールに、ジョーク混じりに喜びを口にした。
追加点は〝あうんの呼吸〟で生まれた
高温多湿、さらに試合途中から激しい雨に見舞われるという悪コンディションの中、1点リードを守り続ける札幌。その我慢が追加点という形で実ったのが、試合終了間際の後半44分だ。CKの流れから札幌が敵陣内でボールを保持すると、ペナルティーエリア内でのこぼれ球を右サイドにいたDF髙尾瑠(27)が、逆サイドに向けて浮き球のクロス。走り込んだフリーのMF青木亮太(28)が右足を振り抜くと、クリアを試みた相手DFの頭に当たってゴールネットへと突き刺さった。「最後までゴール前に入っていくのをやめなくてよかった。瑠がトラップしたあと(自分を)見ているような感じがしていたので、入っていこうという意識になった」と、髙尾とのあうんの呼吸で決めたゴールシーンを振り返った。
OGに訂正されたゴール リベンジ成功
前節のホーム鳥栖戦(5〇3)では、後半25分に近藤からのゴール前へのパスに反応したが、その前に相手DFがボールにタッチしてゴールの中へ。場内でも一度は青木のゴールと発表されたものの、試合後にオウンゴールに記録が訂正されていた。「この間も(DFが)触らなければという感じだったけど、やっぱりあそこに入っていくことが大事だなと本当に思った」と、前節のリベンジを果たせたことに胸を張った。
残留争いへ勢い加速 9月反攻だ
鳥栖、磐田と、残留を争う対戦相手に決めた今季初連勝。これでチームの勢いもさらに加速していくはず。次節のホーム川崎戦(9月1日、プレド)に勝利すれば、残留圏のチームの背中が大きく見えるようになる可能性もある。「1試合1試合勝ちを積み上げるしかないので、どこが相手でも札幌のサッカーを見せながら戦って、勝ちを積み上げていけたらいい」(青木)。この秋に札幌が反攻を見せるムードが色濃く漂ってきた。