■北海道ベースボールウイーク２０２４
北海道社会人・大学選抜０－３日本ハム２軍（８月３０日、エスコンフィールド北海道）

　滑り込み１軍を狙う―。日本ハムの鈴木健矢投手（２６）が、緩急自在の投球で北海道社会人・大学選抜打線を５回無失点に封じ込めた。今季は１軍８試合に登板し、防御率２.７４の成績を残しているが、６月７日に降格して以来、１軍から遠ざかっている。先発、ロングリリーフの適性もあるサブマリンが、ペナントレース最終盤での昇格を目指す。

試行錯誤しながらまとめられた

　毎回走者を許しながらも、粘りの投球で失点を許さなかった。５回４安打３四球と圧倒的な内容ではなかったが「あんまりスライダーとか良くなかったので、いろいろ試行錯誤しながら。まとめられて良かったです」と振り返った。今季は５月３日のオリックス戦（京セラ）で初勝利を挙げるなど、８試合（先発３試合）に登板。６月６日の広島戦（マツダ）で５回３失点の敗戦投手となり、１軍を抹消された。

あらゆる役割をこなすジョーカー

　１軍を支える投手陣が好調だったこともあり、なかなか出番は巡ってこないが、あらゆる役割をこなせる〝ジョーカー〟としての期待は大きい。「もちろん求められたところでやるしかないので、どこで投げろと言われても、しっかり自分の力を出すだけです」と鼻息は荒い。

現在のテーマは緩急　「３ボールでもカウントを取れるように」

　シーズンも終わりに差し掛かる中で、現在は緩急をテーマに投球を磨いている。「最近はカーブを多めに投げています」とこの日も９０キロ台のカーブを多投し、１３０キロ前半の直球を織り交ぜる約４０キロの球速差で相手打線を翻弄。「３ボールでもしっかりカウントを取れるように今は練習中です」とカーブを自在に操れるようになると、当然真っすぐも生きる。相手打者を差し込んだり、泳がせたりすることができ、投球に幅が生まれる。

１軍で結果を残せるように準備

　暑さの厳しい夏場でも食事とトレーニングを積んだことで「８２キロにいかないぐらい」と、体重もしっかりと維持できている。「残り試合は少ないですけど、どこかで滑り込めたら結果を残せるように準備はするつもりです」。１軍で〝ゴールテープ〟を切るためにも、次のチャンスは逃すわけにはいかない。虎視眈々と、そのときを待つ。