■パ・リーグ１９回戦　日本ハム１－２西武（８月３１日、ベルーナドーム）

　日本ハム・松本剛外野手（３１）が８月３１日、西武戦（ベルーナドーム）の試合前に感動の再会を果たした。うれしそうに駆け寄った先にいたのは、西武ＯＢでスペシャルアドバイザーを務めるオレステス・デストラーデ氏（６２）だった。

年の差離れた元スラッガーと意外なつながり

　ファイターズを引っ張る選手会長と、３度の本塁打王などに輝いたキューバ出身の元スラッガー。一見、接点がなさそうな２人だが、実は〝深い縁〟でつながっていた。

　埼玉の川口リトルに所属していた松本剛は、中学１年の夏に米国で行われたリトルリーグ世界大会に出場。エースとして、チームの準優勝に貢献した。その大会で、解説を務めていたのがデストラーデ氏だった。

忘れない夏の思い出

　本塁打を放った際には、チームメートと一緒に同氏をまねた〝弓を引く〟ポーズを披露。「その時も会ったんですけど、それで終わったんです」。忘れない夏の思い出には、続きがあった。

タイトルを獲得した２２年に知人を介して…

　帝京高を経て、１１年ドラフト２位でプロ入り。２２年にプロ１１年目で首位打者のタイトル獲得すると、知人を通して、デストラーデ氏からメッセージが届いた。「動画を送ってくれたんです。オメデトウって日本語で。覚えてくれていたんだ」と、粋な計らいに大感激した。

自分から呼んでくれたフレンド

　あれから２年。この日球場に行くと、今年７月にスペシャルアドバイザーに就任したデストラーデ氏の姿があった。「びっくりした。覚えているかなと思って、様子伺いながら近づこうとしたら、向こうから呼んでくれた」。記念撮影をするなど、１８年ぶりの再会を喜び合った。

　「覚えていてくれているのすごくないですか？ 感動しました。フレンドだ。フレンドだと言ってくれてうれしかった」。そう話す松本剛の表情は、少年時代に戻っていた。