《平川弘のCool Eye》アクションを起こすことと待つこと
難敵撃破の3連勝で最下位脱出
やっと最下位を脱出した札幌。3連勝で鳥栖を抜いて19位へと「浮上」した。そもそも最下位のチームが3連勝すること自体あまりないことだろう。鳥栖と磐田に関しては失礼だが、勝ってもらわねばならない相手。だが、川崎は札幌が苦手とする相手で、これまでに2回? しか勝ったことがない難敵。今季、川崎の調子が悪いとはいえ、個のクオリティーは高い。
ペトロヴィッチ監督が「ボーフムがBミュンヘンに勝つようなもの」とコメントした。川崎がBミュンヘンに例えられるかどうかは? だが、指揮官がそれくらい川崎をリスペクトしているのだろう。
前半持ちこたえ勝利につながった
川崎に勝ったというだけでも嬉しいのだが、2-0で完封したというところがまた良かった。前半は川崎にポゼッションされ、かなり押し込まれた。しかし、慌てずに我慢し、後半へ持ち込めたことが勝ち点3に繋がった。
DF3人+αがあって安定感 GK菅野の好守も忘れてはいけない
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DF岡村が相手FW山田をしっかりマークして抑え込んだことで、ボールは持たれていてもゴール前の怖さはそれほどなかったと思う。DFパクミンギュ、髙尾が、相手MF家長、FWマルシーニョにスペースを与えず、うまく対応したことも大きかった。最終ラインの岡村、髙尾、パクミンギュに状況によってDF大崎がDFラインに入る4人の安定感が2戦連続無失点に繋がっている。
あと忘れてはいけないGK菅野の好守も。もちろん前線からのチェイシングによるところもあるが、今は後ろからの押し上げでチームが動いている。
2得点の裏にあった鈴木の動き
MF青木の2得点に絡む活躍は評価に値するが、FW鈴木の動きも見逃せないものがあった。先制した青木のゴールだが、髙尾が持ち上がって来た時に、鈴木がアクションを起こしてニアに相手DFを引っ張った。そのことで青木がフリーになり、ゴールが生まれた。
呼び込む感覚が今の鈴木にはある
自分がアクションを起こすことで味方がフリーになることを鈴木は実感していると思う。2点目は逆に早く動かずに前のスペースを空けて青木のクロスを呼び込んだ。アクションを起こすことと、待つことを使い分ける。その呼び込む感覚が今の鈴木にはあるように思った。
4日のルヴァン杯・横浜M戦だが、ターンオーバーで控え組中心のメンバー構成になると思う。天皇杯は敗退したので頑張ってほしいが、リーグ戦に疲労、影響を及ぼすような起用は避けたいのが本音である。