育成出身の柳川大晟 九回ピシャリでプロ初勝利 バチバチの殴り合いを好む格闘技ファンの一面も
■パ・リーグ21回戦 オリックス2ー3日本ハム(9月6日、エスコンフィールド北海道)
売り出し中の21歳 サヨナラ呼び込む好投で1勝
日本ハムの柳川大晟投手(21)が6日、エスコンフィールド北海道で行われたオリックス戦の九回に登板し、3人斬りの完璧な投球でプロ初勝利を挙げた。
1日の西武戦(ベルーナドーム)で救援失敗し、黒星を喫していたが、リベンジに成功。初登板、初セーブ、初ホールドに続いてメモリアルな勲章を手に入れた
新庄監督から受け取ったウイニングボール
劇的なサヨナラ勝ちにより、初勝利が転がり込んできた。九回の快投が最高の形で報われたが「リリーフなので(打線の援護によって)勝たせてもらっている。初セーブの時の方がうれしかったです」と本音をポロリ。
新庄監督から受け取ったウイニングボールは大切そうに握り「両親にあげたいと思います」と小さくほほ笑んだ。
制した我慢比べ 「そんなに怖くなかったです」
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八回に追い付かれ、状況は一変したが、表情を変えず、腕を振った。先頭の若月にファウルで粘られたが、フルカウントからストライクを続け、12球目の変化球で二ゴロに打ち取った。
息詰まる我慢比べを制し「いつも通り、力まずに投げられました。あまり打つ気がなさそうだったので、そんなに怖くなかったです」とサラリと言ってのけた。
鉄腕リリーバーからの金言に感銘
2点リードで登板した前回の西武戦では、制球を乱し、押し出し四球も絡んで逆転負けを喫した。クローザーの厳しさを再認識したが、試合後に大先輩の宮西から助言を受けた。
「ミヤさんに『最後は押し出し四球になったけど、ど真ん中に投げるよりも絶対にあの球で良かった』と言われて、それがうれしかったです」。四球を恐れ、消極的思考で甘い球を投げるよりも、苦しい時こそ、厳しいコースで勝負する―。攻めの姿勢を崩さないことが、一流リリーバーの条件だと教わった。
実は血の気が多い!?
もともと柳川は、口数が少なく、控えめなタイプだ。ただ、意外にも格闘技ファンの一面を持っている。
「総合格闘技がめっちゃ好きです」と明かし、国内トップ団体「RIZIN」の戦いに目を奪われている。野球のシーズン中は会場に出向いて観戦することは難しく、有料動画チケットを購入し、視聴。血の気が多いファイターたちのバチバチの殴り合いに刺激を受けている。
強心臓の若きクローザー 力強くラストスパート
物腰は柔らかいが、肝は据わっている。抑えの適性は十分。育成契約からはい上がり、強心臓ぶりを発揮している右腕は、日々成長しながらシーズンラストまで突っ走る。