札幌FW菅大輝が得意の横浜Mから右WBで2得点 第2戦は意地の勝利もルヴァン杯は準々決勝で敗退
■ルヴァン杯準々決勝・第2戦 札幌3-1横浜M(9月8日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
プレドでの公式戦は3連勝
北海道コンサドーレ札幌は1点ビハインドで迎えた後半にFW菅大輝(25)の2ゴールとFWジョルディ・サンチェス(29)の来日初ゴールで3得点を挙げ、横浜Mに逆転勝利した。2戦合計スコアでは4-7となり、今季も準々決勝でルヴァン杯から姿を消すことになった。それでもプレドでの公式戦は3連勝を達成。ホームでは負けないという自信をつけ、J1残留を懸けたリーグ終盤戦へと挑んでいく。
マリノスキラーが対戦通算6得点
昨年9月6日にホームで行われたルヴァン杯準々決勝・第1戦に3-2で勝利して以来、公式戦では5試合ぶりとなる横浜Mからの勝利。その立役者となったのは、この日の2ゴールで横浜M戦での通算得点が「6」となった〝マリノスキラー〟菅だった。
後半から右WB菅、左WB青木 ミシャから「イメージは拓郎だ」
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後半キックオフ時、先発したMF田中宏武(25)に代わって右ウイングバック(WB)に配置されたのは、前半に左WBの位置で奮闘していた菅だった。「右サイドはプロ1年目の鳥栖戦とか、タイ遠征でしかやっていなかったので、ちょっと困りはしたけど、ミシャさんが『(金子)拓郎のように』『イメージは拓郎だ』みたいな感じで言ってくれて」。
今夏、ベルギー1部KVコルトレイクに完全移籍した元札幌MF金子拓郎(27)のようなプレーを期待された菅が、その起用にいきなり応えたのは0-1で迎えた後半3分だった。
カットインから得意の左足ミドル
右サイドでボールを受けると、縦へのドリブルではなく中央へのカットインを選択。ペナルティーエリア手前から左足を振り抜くと、相手選手に当たってコースが変わったボールがゴールへと吸い込まれた。「元々右サイドでカットインからのシュートというのは得意としていたところだったので、迷わずそこを狙っていこうという意識でやった中で、ああいうゴールが生まれた」と同点ゴールを振り返る。
青木のクロスに合わせて2点目
そしてこの試合の勝ち越しゴールを決めたのも菅だ。同32分、左サイドのMF青木亮太(28)からのクロスに、逆サイドへ走り込んでいた菅が、ゴールラインギリギリの角度のない位置から左足アウトサイドで合わせると、ふわりとしたボールがゴールイン。横浜M戦を得意とする菅が、またしてもその相性の良さを見せつけた格好となった。
「(相手が)4バックで、真ん中にジョルディとバカヨコの2人がいれば、相手も(中に)絞るなと思っていたので、そこを信じて走った結果、ああいうゴールが生まれた」と、相手の動きを読み切って生み出したゴールを誇った。
1年前にも右WBで準備
菅が過去の右サイド起用例として挙げた2017年12月2日のホーム鳥栖戦(3〇2)は、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)の就任前。そしてタイ遠征は沖田優コーチ(46)が指揮を執ったものだったため、ミシャ政権下の公式戦では初プレーとなった右サイド。だが決して突然の思いつきではなく、1年前から選択肢として指揮官の頭の中に浮かんでいた起用だった。
昨年9月23日アウェー名古屋戦(1△1)前日に行われた11対11の練習では、当時相手の左サイドだった日本代表DF森下龍矢(27、現ポーランド1部レギア・ワルシャワ)対策として、走力とスタミナに優れる菅を右WBに配置していた。
リーグ戦に向け新たなオプション
そのトレーニングで左WBに入った青木が足の違和感で急きょ先発回避となり、結局いつもの左WBで出場したが、1年の時を経て右WB菅、左WB青木という並びが実現。今後のリーグ戦に向け、札幌の新たなオプションに加わった。
J1残留はチーム全員の力が必要
菅が「(第1戦の)点差をあまり縮められずに敗退というのはやっぱり悔しい」と口にしたとおり、残念ながら5点差という大量のビハインドをはね返すことは叶わず、今季のルヴァン杯は終了。残されたのはJ1残留を目指して戦うリーグ戦のみとなった。
「チーム全員の力が必要になる。100%の力で、まずは次の東京V戦を戦いたい」と、クラブの命運を懸けて挑むラスト9試合に向けて決意を新たにする。今季最終戦のホーム柏戦(12月8日、プレド)までちょうど3カ月。この日を笑顔で迎えるべく、クラブ一丸となってJ1残留をつかみ取りに行く。