札幌MF深井一希が右膝手術から351日ぶり公式戦復帰! リーグ残り9戦で〝不屈の男〟が活力もたらす
■ルヴァン杯準々決勝・第2戦 札幌3-1横浜M(9月8日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
両膝合わせて5度の手術乗り越え
北海道コンサドーレ札幌MF深井一希(29)が、昨年11月に受けた左右合わせて5度目となった右膝の手術を乗り越え、後半38分からピッチに登場。昨年9月23日のアウェー名古屋戦(1△1)以来、351日ぶりとなる公式戦出場を果たした。
応援する全ての人々が待ちわびていた瞬間が、ついに訪れた。試合終了まであと10分を切った頃、ピッチよりも一段低いベンチ裏でウオーミングアップを行っていた札幌の選手の輪から、1人の選手が呼ばれてベンチへと続く階段を駆け上がっていった。
交代のアナウンスで拍手がピーク
コーチの指示を受けながら、その選手が着用していたピンクのビブスを脱ぐと、ユニホームの背面に現れた背番号は「8」。その動向を随時追っていた札幌サポーターからの拍手は、深井の投入がアナウンスされた瞬間にピークを迎え、プレド場内を大音量で埋め尽くした。
「たくさんの人が待っていてくれたんだなって。これからはピッチで恩返ししていけるように頑張らないと」と、その瞬間を万感の思いで振り返った。
投入直後から積極的なプレー披露 ゴール前でいきなり得点機も
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約1年ぶりに足を踏み入れた公式戦のピッチ。だが、この日に見せたプレーぶりは〝試運転〟という言葉を全く感じさせないものだった。投入直後の右CKの場面ではファウルとなったものの、相手選手との接触をいとわず、ゴール前の密集に飛び込んでヘディングシュートにチャレンジ。同41分には再び右CKのボールに頭を出すと、そのこぼれ球を拾ったMF青木亮太(28)のグラウンダークロスに左足のヒールで合わせてシュートを試みた。
「ゴール前でああいうチャンスがあったら、やっぱり決めなきゃいけない。そこは反省しなきゃいけない」と悔しがったが、ブランクを感じさせないプレーを見せる深井の姿に、ゴール裏のサポーターからは大歓声が巻き起こっていた。
やっと立てたスタートライン
「今日の試合は特別というか、監督も気を遣ってくれている部分ももしかしたらあるかもしれない。他にも出たかった選手はいると思うし、そういった選手も含めて試合に出るために、全員で競争が必要。ここまで来たからには僕に対する特別な感じというのはもうないし、ここからが本当の戦い。スタートラインに立てたと思うので、チームのために練習から頑張りたい」
第一歩を踏み出せたことで、再びチームのポジション争いに食い込むことができた。J1残留が懸かるリーグ残り9試合は、帰ってきた〝不屈の男〟がさらなる活力を注入する。