ファイターズ
《ハム番24時》9月14日
10年ぶりに訪れた鎌ケ谷。まず目に入ってきた選手の印象は「みんな、きちっとしている」だった。
ファンへの対応、自主練習の取り組み方。何事もそつなく積極的に行っているように映るのだ。生活面でも整理整頓が行き届いている。「変わった」と肌で感じた。
鎌ケ谷の勇翔寮で生活指導する本村幸雄・選手教育グループ長(53)は、今年で14年目を迎えた。神奈川の光明学園相模原高の野球部監督として県大会ベスト8に4度、導いた元体育教師。3年間にわたる球団からの誘いを受けて2011年1月に現職に就いた。
人間育成教育の専門塾で学び、選手の生活面、精神面の育成に力を注いできた。日誌を習慣化させ、長期・短期の目標設定シートを設け、若い選手の自立を図ってきた。
以前から個人練習は選手個々の自主性に任せてきた球団。だが、本村さんは「自主性といっても自由とは違う。放任ではない。考えて行動させるよう努めています。それが球団の姿勢。教育プログラムができ上がっています」と改革が進んできた。
ただ、選手も変わっていた。前は顔から性格まで個性的な選手がゴロゴロしていた。本村さんは「今の選手はおとなしい。活力が全面的に出ない。人間的パワーが乏しい」と見る。「理論に乗っかっちゃったせいで個性を出すのが難しいのかな」と分析したうえで「個性を引き出せるような指導が大切。型にはめない指導で持てる力を伸ばす。球団全体で取り組んでいかなければいけないと思います」
選手たちには「一人でも多く活躍してもらいたいと」と願う。人間力の向上を目標に「セカンドキャリアでも活躍してくれるような人材になってくれるとうれしい」と頬を緩めた。