《荒木大輔のズバリ解投》新庄監督にお願いしたい。相手投手は相当、嫌だろう
■パ・リーグ21回戦 西武0-1日本ハム(9月10日、エスコンフィールド北海道)
文句なしだった伊藤の状態 精度が高かった全てのボール
今回の伊藤は完璧だった。全てのボールが文句なし。ストレートは力強く、スライダー、ツーシーム、スプリット。どれもカウント球にもでき、勝負球としても使える精度だった。となれば、女房役を務めた伏見もリードしやすかったはずだ。何か、頼りにするボールを選ぶ必要がないのだから。
気持ちのムラも皆無 一発に泣かなかった
伊藤には確かな成長も見られた。調子がいい時ほど、一発に泣く。長いプロ野球の歴史。そういったシーンは何度も繰り返されてきた。伊藤自身もこれまで、一つのきっかけでリズムを崩すといったことが少なくなかった。それが皆無だった。二回、味方がバントを失敗し、得点機を逃した。その直後の三回、2本のヒットで1死一、二塁のピンチを迎えたが、後続を連続三振で抑えた。気持ちのムラは一切なく、調子の良さから強引に勝負にいく姿も見られなかった。
好調を維持している清宮 反応で打つタイプからの脱却
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打線では幸太郎(清宮)の好調ぶりが大きい。四回に左前打を放ち、これで17試合連続ヒットを記録した。六回の第3打席は空振り三振に倒れたのだが、7球粘った。ただでは終わらない。これまでは反応で打つタイプだった。それじゃあ、どうしても率は残らないし、見逃しも多くなる。
確実にマークは厳しくなる いかに相手の上をいくか
それが今年は違う。配球を読み、しっかりと準備を整えた上で打席に立っている。ただ、これをどこまで続けられるか。相手もプロ。マーク度は確実に上がっていく。万波もそうだが、いかに相手の上をいくか。それが継続的に数字を残すためには必要になってくる。ただ、幸太郎のレベルが上がっているのは確かだ。
何でもできる「9番・松本剛」
幸太郎とレイエス。この2人を迷いなく中軸に置けるのは大きい。前後の打者を相手によって組み替えることができる。そしてこの日のように9番に松本剛を置ける。これは理想型のオーダーと言ってもいい。何でもできる松本剛が9番にいることで、切れ目なく上位につなぐことができる。新庄監督にお願いしたい。「9番・松本剛」。このオーダーを続けてもらいたい。相手投手は相当、嫌だろう。