《鶴岡慎也のツルのひと声》レイエスの姿に思い出すラミレスとの読み合い
■パ・リーグ22回戦 西武2ー3日本ハム(9月11日、エスコンフィールド北海道)
完全に復調したバーヘイゲン 文句なしの好投
レイエスが一発で試合を決めた。一言で表現するなら、えぐい。その前に、まずは〝戻ってきた〟バーヘイゲンに触れたい。7回無失点と文句なしの好投を見せた。11日前の前回登板でも7回無失点。完全に本来の姿に復調した。キャンプからシーズン序盤にかけてはツーシームが140キロ台しか出ていなかった。それがこの日は150キロを超えた。コンディションが整った証拠だ。
お手上げだった西武打線 新たな球種スイーパーも駆使
となれば、結果は付いてくる。右打者のインコースへツーシーム。アウトコースには、前回、ファイターズにいた時には投げていなかったスイーパー。左バッターに対してもバックドアからスライダーを決めた。西武打線はお手上げだった。ポストシーズンも現実的に見えてきている。戻ってきたバーヘイゲンが先発投手陣に加わることは心強い。
キャッチャーとして最も嫌なバッター
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さあ、レイエス。キャッチャーとして、こんな嫌な打者はいない。スイングやパワーも目を見張るのだが、最も嫌なのはボールの待ち方にある。しっかりと捕手と勝負するタイプなのだ。五回のチーム初安打は2ストライクと追い込まれてからの一本。ボール球で勝負してくることを予想していたのだろう。高めの直球を軽打し、右前に持っていった。
直球を投げさせたレイエスの駆け引き
十一回のサヨナラ弾も実に見事だった。甲斐野が初球に完璧なフォークを投げた。ところがレイエスはピクリとも動かず、これを見逃した。変化球待ちと思ったであろうバッテリーは2球目にストレートを選択。これをはじき返した。次は直球一本。狙い澄まして打ちにいった。駆け引きの末にバッテリーに直球を投げさせたのだ。
長く日本で活躍する外国人バッターの共通点は
ヤクルト、巨人で活躍したラミレスを思い出す。私も日本シリーズや交流戦で対戦した。配球を読みながら打席に立っていた。外国人に配球を読まれると、大けが(本塁打)につながる。ラミレスとの読み合いには神経を使った。それだけに見逃し三振を奪った時は爽快な気分になったものだ。長く日本で活躍する助っ人外国人に、反応だけで打っているバッターはいない。