伏見寅威 執念ダイブ&好リード バギーの好投を喜び「プロポーズは知っていました」
■パ・リーグ22回戦 西武2ー3日本ハム(9月11日、エスコンフィールド北海道)
百戦錬磨のベテラン捕手 劇的勝利を導く活躍
日本ハムの伏見寅威捕手(34)が11日、エスコンフィールド北海道で行われた西武戦でスタメンマスクをかぶり、好守でチームを支えた。
先発したドリュー・バーヘイゲン投手(33)を7回0封に導き、六回の守備では、一塁側にそれた万波中正外野手(24)のバックホームを捕球し、体を投げ出した執念のタッチで失点を防いだ。
超ファインプレー リクエストの末にアウト判定
1点の重みが増していた。0―0の六回。2死二塁のピンチで、西武の西川に右前打を許した。強肩の万波がチャージして、全力で投げる。一塁側にそれ、ショートバウンドとなった難しい送球を逆シングルで捕った伏見は迷わず、本塁へダイブした。
「万波も勝負に来ているので、僕も勝負にいかないといけない」。瞬間的に頭をフル回転させ、反射的に体を動かした。ヘッドスライディングで生還を試みた長谷川の胸付近にタッチ。一度はセーフと判定されたが、新庄監督がリクエストして、アウトに覆った。万波は、外野手でリーグトップ10個目の補殺が記録された。
見せた熟練の読みとテクニック
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試合後、伏見は「ランナーが三塁を回るタイミングは見えます。でも逆シングルで捕ると、走者の動きが見えない状態になるので、スライディングしてくるだろうと思って、体ごとヘッドスライディングしました。ああするしかない感じでした」と明かした。
冷静な判断力と高い技術が詰まったビッグプレーだった。
前回に続いて助っ人右腕の好投をアシスト
一方で、リードも光った。8月31日の西武戦(ベルーナ)に続いて先発のバーヘイゲンと組み、持ち味を引き出した。走者を背負っても冷静に対処し「球の勢いもありましたし、変化球のキレも良かったので、投げるたびに良くなっている感じには見えます」と手応えを口にした。
これぞ女房役 「いいピッチングをさせたい」
3年ぶりに再加入した右腕は、今月3日に北海道神宮でプロポーズを成功させたばかりだった。この日はフィアンセのマケナさんも観戦していた。ふがいない姿を見せるわけにはいかなかった。特別な登板になると、伏見も認識していた。
「もちろん知っていました。何日か前に写真を見せてきました」と振り返り「プロポーズが成功したあとに炎上していたら、ちょっと(笑)。勝手に僕はいいピッチングをさせたいなと思っていました。良かったですね」と、うれしそうに笑った。
日本一を知る男 チームに不可欠な道産子キャッチャー
今季、春先は田宮が台頭し、スタメン出場の機会は限られていた。しかし、上位争いが本格化した7月以降は、メイン捕手として起用されている。
オリックスで、数々の修羅場をくぐってきた。日本一を知るベテランの知識と経験が今、必要とされている。