松本剛 苦悩するベテランが50分の特打を敢行 新庄監督も直接指導
■全体練習(9月12日、エスコンフィールド北海道)
不振にあえぐ選手会長 9月は打率.111
不振脱却へ〝一振〟不乱―。日本ハムは12日、本拠地のエスコンフィールド北海道で全体練習を行った。9月の月間打率.111と苦しんでいる松本剛外野手(31)に新庄剛志監督(52)が直接指導。その教えを受けた松本剛は、練習後に約50分に及ぶ特打を敢行した。
「自分を見つめ直す時間、そういう意味で打てて良かった」と汗を拭った。チームリーダーが復調すれば、おのずとチームも勢いづく。
黙々とマシン打撃 気付けば1人っきり
「ハッ!」。打撃マシン相手にスイングを重ねる松本剛の声が何度も響いた。上川畑、清宮とともに始めた特打だったが、気付けば1人。なかなか数字が上がらず苦しむ思いを払拭するように、バットを振った。
後半戦スタート時は好調をキープも…
後半戦初戦を翌日に控えた7月25日にも、居残りでロングティーを行い、好転を期した。後半戦の出だしこそ、15試合連続安打を記録するなど順調だったが、好調を長くキープできなかった。8月の月間打率は.236、9月は18打数2安打で打率.111と低迷した。
動いた指揮官 身ぶり手ぶりで指導
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そんな苦しむチームリーダーに新庄監督が手を差し伸べた。ティー打撃をしている松本剛に歩み寄り、綱引きのような要領で、松本剛のバットの先端を後ろから引っ張った。その後も身ぶり手ぶりを交えながら、テークバックから始動していく際の動きをレクチャー。新庄監督は「内緒。結果を見てください」と詳細を明かすことはなかったが、松本剛は「自分の今までの感覚とは違う」と口にした。
きっかけを与える新庄監督 松本剛「何か変化が起きてくれれば」
シーズン中に新しい感覚に取り組むことは容易ではないが「そこは他の選手も葛藤しながらやっている部分の一つではあると思う。意識の一つとして何か変化が起きてくれればいい」と少しでも上積みできることを願った。
バットも江越の使用するタイカップ型を新庄監督から手渡された。14日からの楽天戦(楽天モバイル)には「すごく悩んでます、今は。感覚的にも良かった部分もあったので、同じバットでいこうかなっていう気もあります」
首脳陣の期待は重々承知
思うような結果が出なくとも、新庄政権を引っ張ってきた背番号7への信頼は不変だ。「それは日々感じてますし、起用法含め、期待してもらってるのも事実ですし。清宮が打って、レイエスが打って、すごくいい打線を組めてるのも事実なんですけど。そこでアクセントになればっていう思いは個人的にもありますし、たぶん新庄さんもそう思ってると思う。結果で示すしかない」と覚悟を示した。
リーグ佳境へ 必要不可欠なチームリーダの復調
シーズン終盤に訪れた壁を乗り越える。「諦めるのは簡単ですし、逃げるのも簡単。でも、本当にチームが必要としてくれてる感じも伝わってますし、なんとか自分がっていう思いもすごくある。そこは諦めることなく取り組んでいきたい」
もがいて、もがいて、もがきながら、浮上への光を探していく。