札幌GK高木駿が左膝前十字靭帯断裂を乗り越えて202日ぶりに完全合流「楽しいっすね」
■9月12日、札幌・大和ハウスプレミストドームサブグラウンド
北海道コンサドーレ札幌は14日のホーム東京V戦(プレド)に向けて、11対11などを行って調整した。途中からはGK高木駿(35)がサブ組に入ってプレー。左膝前十字靭帯断裂の重傷を負った今年2月23日以来、202日ぶりとなる完全合流を果たした。
「めちゃめちゃ疲れました」
ついにこの日がやって来た。長く別メニューでの調整を続けてきた高木が、約7カ月ぶりに11対11の戦術練習に入った。「楽しいっすね。めちゃめちゃ疲れました」と感想を口にした表情には、明るい笑顔が浮かんでいた。
早ければ10月中の戦列復帰へ
8月下旬から他の選手たちと同じタイミングでGK練習を行うようになり、9月に入ってからはボール回しにも参加。着実に完全合流へのカウントダウンを刻んでいたが、10日の練習後に受けた診察の結果でゲーム形式の参加に許可が下りた。今後は9月中に練習試合を経験し、早ければ10月中の公式戦復帰を目指していく。
今季の開幕戦前日に負傷
昨夏の札幌加入後、すぐに正GKのポジションをつかみ取り、リーグ9試合に出場。今季も沖縄キャンプ序盤から第1GKとしての地位を確立し、開幕スタメンの座をほぼ確実なものとしていた。しかし、福岡との開幕戦前日に行われた11対11で突如ピッチに倒れ込んで練習を離脱。開幕戦はおろか、長期の戦線離脱を強いられることとなった。
長かった7カ月間は前向き思考「逆に新たな武器を手に入れられる」
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「思い返せば長かった」と振り返る約7カ月間だったが、「ちょっとずつやれることが増えていって、退屈せずに過ごせた」と、ポジティブ思考で乗り越えてきた。「今までこんなに筋トレに取り組んでこなかったので、逆に自分のサッカー人生の中で新たな武器を手に入れられるかなと思いながらトレーニングをして。キックは今までよりも少し飛ぶようになった感覚もある」と、ケガの功名から進化を遂げられたという手応えも感じている。
「まだまだGKとして調子を上げていかなきゃいけない部分はいっぱいあるけど、とりあえず今日、ゲームに参加できて良かった」と、ここからの巻き返しを誓う。
チームの好調さを肌で実感
久しぶりにチームの輪の中に戻ってプレーしたことで、現在のチームの好調さを肌で感じることができた。「夏前の選手が(ケガなどで)少ない時期は本当にまずいなという雰囲気だったけど、今は選手も多くなって活気があるし、リーグ戦で3連勝していたり、ルヴァン杯も敗退はしたけど第2戦で勝てたりして、やっぱりみんな自信を持ってやっているなという感じがするので、そういうときは本当に札幌の良い状態のときだと思う」。
ピッチ内外で引き締める役割も
ここからは終盤戦。J1残留に向けて負けが許されない戦い続くが、「良い雰囲気ではあると思うけど、こんなときこそ引き締められるように。僕も何だかんだ言ってスゲさん(菅野)の次の年長者なので、(宮澤)裕樹と一緒にチームを締められたら」。プロ13年目のベテランGKはチームが一丸となるようにピッチ内外で貢献していく構えだ。
守護神奪還へも虎視眈々
「自分もしっかりGKのポジション争いに入っていけるように。今のメンバー2人(菅野、児玉)に、コジ(中野)も阿波加もいるけど、みんなで良い雰囲気で盛り上げていきたい。(シーズンは)残りも少ないので、もちろん自分も早く公式戦に出られるように」と、正GK奪取を虎視眈々と狙っている。残り9試合となったリーグ戦。残留を目指す札幌に戻って来た頼もしい背番号51が、チームを高みへと導いていく。