バド混合ダブルスでパリ五輪銅メダルの五十嵐有紗が岩見沢市からスポーツ栄誉賞
新ペアで全日本社会人選手権いきなり準V
8月のパリ五輪バドミントン混合ダブルスで、2大会連続銅メダルを獲得した〝ワタガシ〟ペアで道産子の五十嵐(旧姓・東野)有紗(28、BIPROGY)が地元・岩見沢市役所を表敬訪問。岩見沢市スポーツ栄誉賞を受賞した。五輪後には、渡辺勇大(27)とのペア解消と女子ダブルス転向を表明。桜本絢子(29)と新ペアを組み、11日に行われた全日本社会人選手権でいきなり準V。4年後の米・ロサンゼルス五輪出場へ向け順調なスタートを切った。
「第1号になれて幸せです」
12日夜に帰郷。翌13日、2つ目の銅メダルを手に市役所を訪れると、市民から拍手で出迎えられた。同栄誉賞は五十嵐が第1号。「本当に素晴らしい賞をいただいて嬉しいですし、第1号になれて本当に幸せです。この賞に恥じないように精一杯頑張ります」と、声を弾ませた。
悩み抜いた末に新たな種目で3度目の五輪挑戦を決断した。桜本選手からは2年ほど前からペア結成のオファーを受けていたが、即断できなかった。「引退か競技生活を続けるかの二択でした。自分も本当にここで終わっていいのか、という思いもありましたし、正直、女子ダブルスで世界を目指したい思いもあった。やるなら、オリンピックを目指すという目標がないと、多分自分は無理だな、と思った。桜本選手はオリンピックに出たい、と言っていたので、自分の覚悟が決まるのに時間がかかってしまったのですが、自分もオリンピックに出るという覚悟を持てた時点で、一緒に頑張りたいと思いました」。中学時代からペアを組んでいた、渡辺には五輪前の5月に転向を相談。「いいんじゃない」と背中を押されたという。
混合ダブルスと女子ダブルスの違いは
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新ペア初陣まで練習期間は10日ほどしかなかったが、準優勝という結果を残した。「ミックスダブルスは全部自分に球が飛んでくるし、ずっとスピードを出し続けながら、集中してやらなきゃいけない部分があった。女子ダブルスは良い意味で抜くところと、スピードを出すところの判断が本当に大事になります。ただスピードを全部出るだけ出す、というのでは、やっぱりうまくいかない部分もある。スピードを落とすところ、出すところのメリハリがすごく大事」。これまで培ってきたプレースタイルに、新たなスキルを積み重ねる。
新婚家庭にうれしい新米60キロ
五輪後の8月28日、所属先コーチとの結婚を発表した。「家族のために頑張りたい、という思いがより一層強くなりました。うちの家族はみんな料理できるので、母にレシピとか教えてもらいながら、体に良い食事を心がけて作っていて、全部美味しい、と言ってくれます」と照れくさそう。同市は作付面積も収穫量も全道一の米所。新米60キロも贈呈された。「本当にお互いお米が大好きで、ふるさと納税でも、結構お米を頼んでいる。炊き込みご飯とか、普通に白米だけもありかなって。いい炊飯器買いました。ちょうどよかったです」と笑顔が弾けた。
新ペアの愛称は「あやりさ」有力?
今回は登録の関係で〝東野〟で出場したが、11月の中国マスターズからは〝五十嵐〟で出場する。新ペアの愛称について、ファンからは「アヤコとアリサで『あやりさ』。結構多かったです。2人でまた話し合いながら決めたいなと思います」。地元には18日まで滞在予定で「実家に帰ってゴロゴロしかしてないんですけど、これからちょっとずつお礼やあいさつをさせていただきたい。おいっ子たちとお祭りに行ったり、家族でゆっくり過ごせたら」。公私ともに新たなバディを得た五十嵐が、3度目の五輪ロードに挑む。