後半２５分からＤＦ岡村トップのパワープレーも８戦ぶり無得点

　北海道コンサドーレ札幌は東京ヴェルディとホームで対戦して０－２で敗れ、８試合ぶりの完封負けを喫した。

　リーグ３連勝中の札幌はルヴァン杯を挟んで中５日のゲーム。対する東京Ｖは２連勝中で、今月最初の公式戦となるアウェー戦へ乗り込んで来た。

　前半は両クラブとも集中力が高く、札幌はボールを回しながらゲームをコントロールし、東京Ｖは５－４－１でしっかりと守りを固めながら少ないタッチ数で速い攻撃を狙う展開が続いた。

　前半１０分と早い時間帯にはＤＦ髙尾瑠（２７）が負傷退場というアクシデント。代わってＭＦ荒野拓馬主将（３１）が途中出場し、ボランチに入った。前回対戦は３－５と前半からの打ち合いとなったが、今節は互いにチャンスはつくるものの決定機までは持ち込めず、前半を０－０で折り返した。

　後半は一転し、スタートから好守が激しく入れ替わる展開となった。同２分にＦＷ鈴木武蔵（３０）からのスルーパスにＭＦ駒井善成（３２）がゴール前に抜け出し、右足シュートを放つも相手ＧＫの好セーブに阻まれた。逆に同６分にはビルドアップのミスからボールを奪われ、波状攻撃を浴びたが、ＤＦ陣が体を張ってこれを死守した。

　するとその３分後、２つの縦パスで左サイドを抜けられ、ペナルティーエリア横からクロスを入れられる。これはＧＫ菅野孝憲（４０）が右足を出してカットしたが、それを相手ＭＦ山田楓に拾われて左足シュートを決められてしまった。

　これに対し、札幌は同１９分に新加入のＦＷアマドゥ・バカヨコ（２８）、ジョルディ・サンチェス（２９）と２枚の外国人ＦＷを入れ、鈴木と合わせた強力３トップで応戦。　同２５分には鈴木を諦めてベンチからＭＦ宮澤裕樹（３５）を３バック中央に入れ、同ポジションだったＤＦ岡村大八（２７）を前線に上げるというパワープレーをこの時間帯に発動。ミシャ体制となってからは非常に珍しい戦術をとった。

　しかし、ボールをゴール前に放り込むだけでは得点につながらなかった。空中戦で競り勝てず、セカンドボールも拾えず、逆にカウンターを受ける展開が多くなってしまう。同２７分には荒野がカウンターを受けそうになって相手を後方から手を掛けて倒し、イエローをもらって次節の出場停止が決まってしまった。

　同３５分には相手陣地でボールを奪われてからのカウンターでハーフウェーラインからの独走を許してしまう。ゴールネットも揺らされてしまったが、ＶＡＲ検証の結果、オンフィールドレビューとなり、これは直前のファールが認められて取り消しとなった。

　同３９分は左サイドを切り崩して駒井がクロスを上げるも、ゴール前中央の混戦で競っていたバカヨコには届かなかった。その後も攻め続けたが、ゴールまで至らず。逆にアディショナルタイム７分にカウンターから中央を突破され、ＦＷアウベスにダメ押しの２点目を決められてしまった。

　試合後、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督（６６）は「選手たちにはプレッシャーもあったと思う。非常に痛い敗戦だった」と肩を落とした。札幌の順位は１９位のまま。東京Ｖは６位に浮上した。

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■フル出場して２本のシュートを放ったＭＦ駒井善成（３２）
「東京Ｖは規律ある守備からのカウンターがすごく鋭いチーム。僕たちがボールを持って向こうのブロックを後略していくような展開になるなと思っていた。何とかじれずに前半を終われたけど、後半は１本のミスでやられてしまい、あとはしっかり守られてしまったなというゲームだった。自分もチャンスがあって、決めていれば勝利に近づけるような試合だったので悔しい」

■古巣相手に悔しい敗戦を喫したＤＦ馬場晴也（２２）
「やっちゃいけない試合をしたなと思う。結果が全てだったので、それに対しても申し訳ない気持ちしかない。３連勝したときよりもアグレッシブに攻撃に行けなかったし、チームとしてもうまくいかない感じがありながら、ズルズルと引きずっていってしまった。（次節・町田戦は）本当に負けられない試合だと思う。特長のあるチームなので、期間は１週間だけど（対策を）うまくチームに落とし込んでいきたい」