《東京V戦後》意図的に崩せるような展開をつくれなければ力でこじ開けに行く
■J1第30節 札幌0-2東京V(9月14日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
―試合を振り返って
非常に痛い、残念な敗戦だ。もちろん今日の試合に入るにあたって選手たちもプレッシャーがあったと思うが、そのプレッシャーの影響なのか、前半は非常に固い印象を受けた試合だった。相手が守備的に守って、ボールを奪ってカウンターというのを常に狙っていたと思うが、そうした相手に対して選手たちも非常に慎重な入り方をしたのだと思う。
ああいった構えられた状況の中では、後ろからしっかりとボールを動かして、相手のDFを剥がして、複数の選手が同時に動きながら相手を崩していくということが必要なのだが、なかなかそういった自分たちの狙いが出せないような状況で試合が進んでいった。
相手はボールを奪って常に我々の背後にボールをシンプルに蹴り込んでくる、あるいはフィジカルが強く、スピードのある20番(FW木村)に入れてという形で、常に我々が不用意なボールの失い方をすればそこを狙ってくる。選手たちも隙をつくることのできない状況の中で、自分たちが仕掛けたいのだけど、奪われ方も気を付けなければいけないという構図の中で気を遣ったと思う。
先に失点をした中で、その後は非常に難しい試合展開になってしまった。選手たちは最後まで諦めずに得点を奪いに行く、追い付く、そして逆転するという、そういった強い意志を持って戦ってくれたと思うし、決して今日のゲームの選手たちを責めることはできないと思っている。
【異例のパワープレー実らず東京Vに完封負け 札幌DF岡村大八「ミシャの勝ちたい気持ちが出ていた」】
―後半25分のMF宮澤投入直後というタイミングから、DF岡村を最前線に配置した意図は
(FW鈴木)武蔵が足をつってしまったような状態になり、交代をしなければいけない状況の中でハチ(DF岡村)を一番前に置いた。その理由というのは、相手がリードし、より中を締めてゴール前を固めるという戦い方をしてくる中で、何とかしてそこをこじ開けなければいけないという理由で、ハチを一番前に入れた。
(東京Vの)3バックに高さ、強さがある中で、ハチが前に入ることによってヘディングでの競り合いやポストプレーなど、攻撃の起点になるような収まりがつくれるかなという意図だった。
やはり自分たちが意図的に崩せるような展開をつくれなければ、力でこじ開けに行くというのが私の意図だったし、アマ(FWバカヨコ)とジョルディ(FWサンチェス)の高さのある2枚とハチを含めて、外からクロスを上げて得点を奪いに行く、そういうった狙いを持っていた。
実際にハチが競り勝つ場面が非常に多かったと思うが、残念ながらそこの部分でセカンドボールを拾って相手を押し込んでいく、相手のゴールにボールを押し込んでいくというような状況というのはつくれない場面も多かった。やはり放り込んだ後のカオス(混戦)で、もっと我々が速くセカンドボールを拾えていれば、相手のゴールをこじ開けることができたかなと思っている。
―DF髙尾が前半の早い時間に交代
髙尾に関しては筋肉系のトラブルがあって、あの時間帯に交代せざるを得なかったというのが理由だ。