V1王者・サントリーから期限付き移籍のOH鍬田 ヴォレアス本拠地・旭川との意外な縁とは
■プレシーズンマッチ(9月14日、鷹栖町総合体育館)
▽ヴォレアス北海道1-4東京グレートベアーズ ※特別ルール5セットマッチ
今季から始まるバレーボールの新たなトップリーグ「SVリーグ男子」に参戦するヴォレアス北海道は14日、鷹栖町総合体育館で昨季V1リーグ7位の東京グレートベアーズとプレシーズンマッチを行った。今季新加入5人のうちの1人、OH鍬田憲伸(25)は昨季V1王者の強豪・サントリーサンバーズ大阪から期限付き移籍で加入。10月19日のホーム開幕戦では、いきなり古巣と対戦する。
第3セットからコートに「もっと練習で合わせないと」
今季初めてのVリーグクラブとの対外試合。全体練習が始まってからまだ日が浅く、2セット目を取って1-1としたが、残り3セットを立て続けに奪われた。第3セットからコートに上がった鍬田は「個人的に、サーブとレセプションは徐々に良くなってきているんじゃないか。あとはトスに対してのタイミングを、もっと練習で合わせていかないと」。新外国籍選手も来日したばかり。開幕まで残り1カ月で状態を上げていく。
1月には対戦相手として旭川で試合
熊本県出身。鎮西高3年時は主将として春高バレーを制した。中央大4年時にインカレ3位。各世代別日本代表も経験し、2021年2月に内定選手として強豪・サントリー入り。昨季まで3シーズンプレーした。今年1月には、対戦相手として旭川を訪れたが、その時は旭川と縁があるとは知らなかった。
えっ、知らなかった そうだったの?
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鍬田の父は陸上自衛隊員。鍬田が熊本で生まれる前まで約10年間、転勤で旭川に住んでいたという。「兄と姉が10歳上と8歳上にいるんですけど、2人とも旭川に住んでたんですよ。たまたま声がかかった時に両親と話していて、なにか縁があると感じたので、両親も賛成してくれた。めちゃめちゃ迷ったんですけど、試合に出たい、というだけではなく、バレーができているのも親のおかげ。何か恩返ししたい気持ちが強くて、旭川でバレーをすることがひとつ、恩返しでもあるんじゃないかと。この1年間は大事な1年なので、バレーボールを楽しみたい」。両親からは「10月には雪が積もっているから気を付けなさいって言われて。でも10月は降る気配ないけどな、みたいな(笑)」。すでに両親は旭川を旅行で訪れたという。
ホーム開幕戦は古巣サントリーが相手
ホーム開幕戦は、昨季までプレーした古巣が相手。同じポジションにはパリ五輪日本代表の髙橋藍(23)ら共に日本一を目指した選手が多数残っている。すでに開幕戦の前売り券は完売。「やりにくさも多分あると思うんですけど、まだ今のところは全然なくて楽しみ。世界でもトップレベルの選手たちがそろってるし、そういうチームとできることも本当に楽しみ」。
全力でプレーして、将来を切り開く
今回の移籍がステップアップにつながるかどうかは全て自分次第。「先のことは全く考えてなくて、このシーズンを全力でプレーすることで、これから先の自分のバレーボール人生が変わってくると思っている。バレーの技術的にもそうですし、人間としても成長して、ファンの人たちと一緒に戦いたい、という気持ちが強いので、ヴォレアスのファンの人たちも一緒に戦ってくれたらうれしい」。日本最北のVリーグクラブから、バレーボール人生の将来を切り開く。