《岩本勉のガン流F論》あの温厚なヒルマン監督が激怒 困り果てた通訳の岩本賢一さん
■パ・リーグ20回戦 雨天中止 日本ハム―楽天(9月15日、楽天モバイルパーク宮城)
日本ハムにとっては恵みの雨
楽天との一戦が水入りとなった。天気には勝てない。次カードのソフトバンク戦を含めてビジター5連戦が組まれていた。長丁場のペナントレースも終盤。疲れは蓄積されている。日本ハムにとっては恵みの雨と言っていいだろう。14日に黒星を喫したものの、投打ともチーム状態も悪くない。
16日の先発マウンドには金村が上がる。前回、前々回と勝ち星こそ付いていないが、ピッチング内容に問題はなかった。投げ急ぎさえ気を付ければ、今回もしっかりと試合をつくってくれるはずだ。
大切なのは自由となった時間の使い方
恵みの雨とはいえ、試合がなくなった日の過ごし方は重要だ。特にビジター。室内練習場で一汗かいた後、自由となった時間の使い方が大切だ。声を大にして言いたい。あまりゴロゴロしすぎてはいけない。
雨天中止での苦い思い出 2004年のオリックス戦で…
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私には苦い経験がある。2004年。神戸での一戦、オリックス戦が雨で中止となった。チームを率いていたヒルマン監督は私のスライド登板を決めた。当然、意気に感じた。しっかりと休養を取り、万全の状態でマウンドに上がろうと。当初のスケジュールの中で存在しなかった24時間。ホテルの部屋でテレビを見るなどしながら、ゆっくりと過ごした。
体に感じた異変 早々のKO降板
翌日、休養十分で球場に着き、ランニングを開始した。すると、体が妙にフワフワとし、体の重量を感じなかった。まるで発熱した2、3日後のような感覚。これはマズいと焦って汗をかいても状態が戻るとこはなかった。となれば、結果は明白だ。ボールは上ずり、3~4回でKO降板した。
指揮官からの激しい叱責
今でも忘れられない。あの温厚なヒルマン監督から激しく怒鳴られた。「なにやっとんねん!」と。当時、通訳だった岩本賢一さん(現チーム統括本部副本部長兼国際グループ長)が訳すのに困っとったっけ。それぐらい激怒していた。ベテランだった私。自分が情けなく、返す言葉は見当たらなかった。
忘れられないコーチ陣の言葉
今思えば、経験豊富なコーチ陣は中止が決定した瞬間、口にしていた。「ゴロゴロせんと、買い物でも、パチンコでも、何でもいいから出かけてこいよ」と。静養の難しさを痛感した。決して投手陣に限ったことではない。それぞれ最良の状態で、次戦に臨んでもらいたい。