大谷翔平が寄贈した51個のグラブ使い江別市で野球教室 参加66人が「大谷さんありがとう」
全国の小学校に約6万個寄贈
昨年11月、元日本ハムでメジャーリーグのドジャースで活躍する大谷翔平(30)から全国の小学校に約6万個のサイン入りグラブが寄贈された。9月15日、江別野球連盟と江別市少年軟式野球連盟は、市内18校に贈られた51個の「大谷グラブ」を借りて、市内のグラウンドで小学3年生以下の野球未経験者を対象とした野球教室を開催。定員を大幅に上回る100人以上の応募があった。
午前と午後の2回に渡って開催され、抽選で選ばれた66人とその保護者が参加した。江別市内のみならず、近隣の札幌市からも参加。日本ハムや、ドジャースのTシャツを着用した将来の球児たちが、グラブ寄贈の際に添えられた「野球しようぜ」の言葉通り、保護者と一緒に野球の楽しさを体感した。
少年野球 全盛期16チームが半減
大谷グラブは小学校1校につき3個ずつプレゼントされ、昼休みなどに児童がキャッチボールで使ったりしているという。江別野球連盟の真鍋慎治事務局長(41)は「それだけじゃ、もったいない。江別は人口が減っているわけではないが、野球をする子供たちが減っている」。全盛期の20年間に16チームあった少年野球チームは、今では8チームに減少。歯止めをかけたい思いもある。
講師は今季から本拠地を札幌市から移したクラブチームの江別ブルーインズのメンバー約20人が務めた。4グループに分かれ、キャッチボール、ストラックアウト、走塁練習、打撃練習と約1時間半に渡って参加者に優しく指導した。本拠地移転の目的の一つでもあった取り組みが実現し、西垣類監督(41)は「江別市と協定を結んでから、市が協力してくれたのがものすごく大きい。連盟と春からずっときょうのために打ち合わせをしてきた。われわれも野球で結果を出さないと」と、大成功に笑みを浮かべた。
参加した保護者の中に元楽天の武藤さんも
当選者には、江別市在住で元楽天投手の武藤好貴さん(37、札幌藻岩高出)の姿も。長男・陸くん(5)を連れて家族で参加した。野球は未経験だが、ストラックアウトでは右投げから力強いボールを投げていた。「自分がやったら厳しくなっちゃうんで、嫌いになったらイヤだなと思って。他の人に教えてもらって興味が出てきたら教えてあげたい。きょうは思ったよりも楽しそうにやってくれていたので、ちょっとでも野球に興味を持ってくれたら」。主催者は今回抽選に漏れた人を対象に、シーズンオフに別の形で野球教室を開く予定。子供たちが野球と触れあう機会を、これからも定期的に提供していく。